猫背の治し方!原因を知って矯正・改善しよう。ストレッチと矯正ベルトも
悪い姿勢の代名詞ともいえる猫背。
猫背とは実際に身体がどのような状態なのか、身体にどのような影響を及ぼすのか。
改善するにはどうしたら良いのかなどをお伝えしていきます。
猫背とは
よく一般にいわれている猫背とは実際にはどのような状態なのでしょう。
背中が丸まっているのが猫背とイメージされやすいかと思いますが、解剖学的に解説していきます。
背骨のしくみについて
まずは背骨の状態について説明します。
一般に背骨といわれているものは医学的には脊柱といい、図のようにS字のカーブを描くような形をしています。
脊柱を構成する1つ1つの骨を脊椎といいます。
脊椎は
- 頸椎
- 胸椎
- 腰椎
- 仙骨
- 尾骨
にわけられます。
頸椎は7個、胸椎は12個、腰椎5個あります。
- 頸椎は前へカーブ(前弯)しています。
- 胸椎は後ろへカーブ(後弯)しています。
- 腰椎は前へカーブ(前弯)しています。
このカーブは衝撃の圧力を分散させたり、クッションのような役割を果たしているんです。
一般にいわれている猫背とは胸椎の後弯が強くなっている状態をいいます。
胸椎の後弯が強くなると頭も前に出てしまい、いわゆるストレートネックという頸椎がまっすぐになってしまう状態になります。
猫背の原因は4つ
猫背になる原因は主に4つあります。
背の原因①長時間のパソコンやスマホ
パソコンやスマホの画面を見ていると自然と下を向き、頭が前に出てしまいます。
すると背中が丸まります。これが長時間続く事によって猫背の原因となります。
背の原因②デスクワーク
デスクワークで長い時間座っていると背中が丸くなりやすく猫背の原因となります。特にデスクが身体から遠かったり低すぎたりすると猫背を助長してしまいます。
背の原因③運動不足
背中を支える筋肉が働きにくくなったり、胸の筋肉が硬くなったりする事も猫背を強めてしまいます。運動不足によって筋肉を伸ばしたり縮めたりする機会が不足する事も猫背を強める原因となります。
背の原因④ストレスなど精神的なもの
気分が落ち込んでいたり、自信がなかったり、不安だったりすると自然と背中が丸まりやすくなります。
精神的な要因でも猫背になるのです。
このように猫背を強めてしまう原因は多くあります。
そもそも人間の目、鼻、口は全て身体の前の方に存在しています。
また物を食べたり、字を書いたり、作業をするのも身体の前で行います。
そのため、どうしても背中が丸まりやすく猫背になります。
人間が4本足から2本足に進化して、重力に逆らって前で作業をする定めといっても良いでしょう。
とっても怖い!猫背のデメリット
猫背になると身体に様々な悪影響が起こります。
身体に起こる悪影響として
- 肩こり
- 腰痛
- 膝痛
- 頭痛
- むくみ
- ぽっこりお腹
- 疲れやすくなる
- 呼吸のしにくさ
- 顎関節症
などがいわれています。
特に首コリや肩コリは猫背の人に非常に多く聞かれる症状です。
猫背では頭の重たさが首や肩により強くかかってしまいます。
頭の重さは体重の8〜13%です。
体重60kgの人で大体6kgの重さとなります。
猫背ですと頭が前にズレますから6kgの重さがのしかかるのです。
飲み込み(嚥下)にも影響が!
猫背で頭が前に出ることでは顎にも影響を及ぼします。
頭が前に出ると下顎が後ろに引けた位置に変わります。
舌骨筋群と呼ばれる口を開けたり閉じたりする時に働く筋肉が過剰な力を強いられます。
その影響により噛み合わせが悪くなって顎関節症になったり
舌の機能が低下から飲み込む力の低下にもつながってしまいます。
また見た目の印象も悪いです。
自信がなさそう、老けて見える、不健康そうと思われてしまいます。
スポーツへの影響もある!
猫背では脊柱の動きが悪くなり、スポーツでのパフォーマンスも悪くなってしまいます。
サッカーや野球、バレーボールなどの球技では身体をひねる回旋動作が重要となります。
しかし猫背ではうまく身体をひねることが出来なくなります。
力を十分に発揮できなくなってしまうのです。
また背骨の動きが悪いために、手足に力が入りやすくなり怪我の原因にもなりえます。
猫背の改善方法
猫背を改善する方法は姿勢の改善、生活環境の改善、ストレッチ、筋トレといった方法があります。
姿勢の改善
猫背は普段とっている姿勢の積み重ねです。
図のような姿勢が重力に対して最も負担かからない理想的な姿勢となります。
この直線から前にズレた分だけ猫背が強くなり、身体への負担を強めてしまいます。
正しい姿勢を意識
- 骨盤を起こす
- 顎を引く
- 肩甲骨を内側に寄せる
といった意識をしましょう。
かなり猫背は改善されます。
骨盤を起こす
座っていて骨盤が後ろに倒れていると骨盤の動きに連動して背骨は丸まる方向へ傾いてしまいます。
よく見られるのは仙骨座りといわれる姿勢です。
椅子に浅く座り体重が仙骨の部分にかかっている状態で骨盤が後ろに倒れて背中が丸まっている姿勢です。
改善方法として椅子に深く座り、骨盤を前に起こして、坐骨というお尻の真ん中にある骨に体重をかけて座るのが良いでしょう。
アゴを引く
頭が背骨よりも前に出ていると首の動きに連動して胸椎が後ろに丸まり猫背になりやすくなります。
顎を首に近づけるように引いて、背骨の直上に耳の穴が来るように意識をします。
肩甲骨を内側に寄せる
肩甲骨が外側に開くとその動きに連動して胸椎は後ろに丸まり猫背になりやすくなります。
軽く胸を張るような意識で肩甲骨を内側に寄せる事で猫背が改善されます。
猫背矯正ベルト
最近では猫背矯正ベルトというものもあり、使用している人も増えています。
矯正ベルトを腕の下に通して背中を起こすように装着します。
効果については様々な意見がありますが、ある程度の予防にはなるのではないかと思います。
ただこれに頼りすぎると姿勢を保持する筋肉があまり活動しないため長時間装着し続けない方が望ましいでしょう。
生活環境の改善
普段の座っている机や椅子、作業台の高さなどの環境も猫背に影響します。
低かったり、身体から遠いデスクでの作業ではどうしても猫背になりやすくなります。
図に挙げたような姿勢を保てるような高さに机や椅子を変える事が猫背の改善になります。
普段の姿勢を常に良くしようと意識するのはかなり大変な事です。
自然と良い姿勢が取れる環境に設定してしまう事が猫背を改善するポイントです。
骨盤クッションなども有効
骨盤クッションない場合はバスタオルやクッションなどを後ろに置くだけでもOK。
猫背矯正のストレッチと体操
肩甲骨を内側に寄せる体操
①両手を横に90°挙げて肘を曲げます。
②肘を後ろに引き肩甲骨を内側に寄せます。その状態をキープして10秒止めます。これを5~10回繰り返します。
背中を伸ばすストレッチ①
写真のように仰向けに寝て、背中に丸めたバスタオルを置きます。
その状態で両手をバンザイします。その状態でゆっくり呼吸して30秒以上ストレッチします。
背中を伸ばすストレッチ②
座った状態で頭の後ろで手を組みます。
大きく息を吸って肘を開いて、頭を天井に向けるような感じで上に伸びます。
まとめ
●猫背は背骨の胸椎の後ろのカーブが強い状態で、肩こりや腰痛、顎関節症など様々な体のトラブルの原因となる。
●改善のためには姿勢の改善、生活環境の改善、体操などが有効である。