モートン病の専門医は何科?治療・手術とインソールの選び方
歩いたり走ったりすると足の裏の特に指先に起こる痺れや痛み、もしかするとモートン病という障害かもしれません。
今回はモートン病の治し方について解説していきます。
モートン病とは
足に体重をかけた際や歩いている時に、足の指先に起こる痺れや痛みを主とする障害です。
足の裏に通っている神経が圧迫を受けたり、炎症を起こすことによって症状が起こります。
安静にしている時は症状が出ないのが特徴です。
足の指は親指から順番に第1趾・第2趾といわれています。小指が第5趾です。
主に図のように中指と薬指(第3趾・第4趾)の間、人差し指と中指(第2趾、第3趾)の間に起こることが多いです。
その部分を押したりすると痛みや痺れが生じたり、感覚が乏しくなっていたりする症状が出ます。
痛みはその部位にピンポイントに感じる事が多く、電気が走るような強い痛み、脳天まで響く痛みがあります。
歩いたり、走ったりするときに足の指先に体重がかかり力が入る際に症状が出やすく、ハイヒールなど先の細い形状の靴を履いている時に症状が出やすくなります。
男性よりも女性に多く見られその90%は女性といわれています。特に中年期以降に見られやすいです。
モートン病という名前はこの障害を発見したトーマス・G・モルトンの名前からつけれました。
モートン病はなぜ症状が出るのか
出典:https://karada-sem.com/2016/06/22
足の指の骨の根元には中足骨と呼ばれる骨が親指から小指まで全てにあります。
その中足骨は深横中足靭帯と呼ばれる靭帯で繋がれています。そのすぐ下を足の指まで繋がる神経が通っています。
ハイヒールなどの先の狭い靴や、爪先立ちなどによって、神経が深横中足靭帯と床との間で圧迫される事でモートン病の症状が出ます。
痛い場所には神経が腫れてしまってシコリのようになる神経腫というものが見られる事もあります。
モートン病の原因
モートン病の原因は大きく分けて4つあります。
靴が合わない
ハイヒールやの細い靴、サイズがあっていないキツめの靴によって神経が圧迫されやすくなります。
特にハイヒールなどの踵の高い靴ではちょうどモートン病の症状が起こる部分に体重がかかるため、その負担のために神経が圧迫され、症状が出てしまいます。
歩きすぎや走りすぎ(オーバーユース)
長い距離を歩いたり、走ったりする事によって繰り返し足に衝撃がかかるストレスもモートン病の原因となります。
特にクッション性の低い靴では繰り返しの衝撃ストレスを受けやすくなります。急に歩きすぎた・ランニングを急に始めたという場合にも起こりやすいです。
ガングリオンによる神経圧迫
ガングリオンとは関節周りに発生するゼリー状の体液が溜まって出来るシコリのようなコブです。なぜ起こるのか詳しい事は分かっていませんが、関節にある関節液という液体が溜まることで発生するといわれています。
このガングリオンによって神経が圧迫される事がモートン病の原因となります。
足の変形
出典:https://www.barefootscience.jp/足のトラブルと対策/開張足/
開張足という足の横アーチがなくなり、平らに足の横幅が広くなっているような形状の足の変形でモートン病になりやすくなります。
開張足によって深横中足靭帯の緊張感が高まり神経を締めつけてしまいます。
また外反母趾や偏平足の人も、モートン病になりやすいです。
※足のアーチについて
足には3つのアーチと呼ばれる部分があります。一番わかりやすいのは土踏まずの部分で内側縦アーチといわれます。他に外側縦アーチ、横アーチというアーチも存在します。
●歩行時の衝撃を吸収し、体への負担を少なくする
●起った時に親指、小指、踵の3点で支える事で安定させる
●歩くとき・走るときにバネのように前に進む力(推進力)を生み出す
という事があげられます。
注意!!
●モートン病の人に足の裏の指の付け根付近にタコやマメができている事があります。
●タコやマメは荷重がかかって負担のかかっている部分に出来やすいので、神経が圧迫されやすいモートン病の患部に出来ている場合は注意しましょう。
モートン病の診断テスト
モートン病かどうかチェックする方法を教えます。
チネル徴候
神経障害部を手や道具を使って叩きます。
叩いた際に痺れや痛みが放散する症状が出る場合はモートン病の可能性が高いです。
足部圧迫テスト
足を握り圧迫する事で痛みや痺れなどの放散痛が生じるかどうかを見ます。
症状が生じた場合はモートン病の可能性が高いです。
モートン病の専門医は何科?
モートン病が疑われる場合はまず整形外科を受診する事が望ましいでしょう。
レントゲンや筋電図検査、MRI、超音波検査などでモートン病の診断をします。神経腫の有無はMRIなどの精密検査でないとわかりません。
病院でのモートン病の治療
モートン病の実際の治し方は2通りあります。
保存療法
手術などの切開は行わないで治療をします。靴を変えたり、インソール(中敷)を使用したりして経過をみます。
症状が強い場合には局所にステロイド注射を行なったりもします。また患部を温める温熱療法や運動療法を行う事も多いです。
手術
保存療法で症状が変わらない場合や痛みが強く生活に支障のある場合は手術療法を行う事もあります。
神経を圧迫している腫瘍を剥がす神経剥離術、圧迫している神経を切除する神経腫切除術、深横中足靭帯の切離などの手術が行われます。
モートン病の治療と対応策
一度モートン病になってしまった場合の対応策を教えます。
靴を変える
モートン病の原因となりやすい靴は下記です。
●ハイヒールなどのつま先が狭い靴
●ハイヒールなどのかかとの高い靴
●クッション性が低い靴
これらの靴を履くのを中止し、クッション性の高い靴に変えましょう。
患部にかかるストレスを軽減する事が大切です。
神経ブロック注射
患部に麻酔や神経ブロック注射を打つ事で症状が軽減したり、痛みがなくなることが期待されます。
※神経ブロック注射で有名な病院は『NTT東日本病院 ペインクリニック科』です。
インソール(中敷)の使用
モートン病は横アーチの低下が原因となる事が多いです。
横アーチをサポートするものや「内側縦アーチ」をサポートするようなインソールを使用する事で症状が改善する事が期待できます。
市販のインソールでも改善を期待出来ますが、多少お金はかかりますが装具士や足の専門医が形状に合わせて型をとり、自分にあった最適なインソールをつくる方法もあります。
アーチ機能の改善
出典:http://fujisawa-seitai.com/syoujou/asiura.html
モートン病は横アーチの低下によって症じやすくなります。
横アーチの機能低下は内側縦アーチの機能低下が原因となることが多いため、この内側縦アーチの機能を改善させる事で症状を和らげる事が期待できます。
アーチを形成する筋肉のトレーニング
これらの筋肉を鍛える事によってアーチの機能を改善させましょう。
後脛骨筋
用意するもの:セラバンド
セラバンドを用いてつま先を内側に向けるよに引っ張ります。
前脛骨筋
セラバンドを用いてつま先を上にあげるように引っ張ります。
足の指は曲げたまま行うのがポイントです。
腓骨筋
セラバンドを用いてつま先を外側に向けるように引っ張ります。
タオルギャザー
用意するもの:タオル
タオルを足の指で手繰り寄せて握っていきます。
まとめ
●モートン病は足の指先に痺れや痛みが出る疾患で、神経の圧迫が原因である。
●ハイヒールやつま先の狭い靴や足のアーチの破綻などが原因で起こる。
●インソールの使用や靴の改善が有効である。
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