膝に水が溜まる!原因・症状・対処法・予防法教えます。

膝に痛みを感じる時、よく水が溜まってしまっていると聞く事があります。

なぜ膝に水が溜まってしまうのか?

よく水を抜くと癖になるから抜かない方が良いとか言われますが、実際はどうなのでしょうか?

今回は膝に水が溜まってしまうその原因と予防法、解決法について解説していきます。

膝に水が溜まるその原因

膝関節のしくみ

膝の関節

膝は太ももの骨である大腿骨、スネの骨である脛骨、お皿と呼ばれる膝蓋骨によって形成されています。

大腿骨と脛骨の間は関節包と呼ばれる膜があり、その膜の内側は滑膜という膜で覆われています。

その大腿骨と脛骨の間の隙間は関節滑液と呼ばれる液体で満たされています。

膝蓋骨

膝蓋骨

関節滑液は滑膜から分泌され、骨と骨の摩擦を軽減したり、衝撃のクッションのような緩衝作用があったり、表面にある軟骨に栄養を供給したりする働きがあります。

潤滑油のような働きで、車で言うとオイルのような働きを担っています。

通常この滑液は程度な量で関節内を満たしており、自然に体に吸収され、また滑膜から分泌されてを繰り返しています。

なにも異常がなければその量が過剰に増える事も、減る事もありません。

しかし関節内に何らかの異常が生じ、炎症が起こったり、負担によって軟骨のかけらが関節内に混入したりすると、その状態を回復させようと体が反応し滑液が多く分泌されるようになります。

それが膝に水が溜まってしまっている状態です。

その水が溜まってしまっている状態を医学的に関節水腫と呼びます。

膝に水が溜まったときの症状

膝に水が溜まった状態でいると以下のような症状があります。

●関節内の圧力が高まるため圧迫感を感じる
●膝の曲げ伸ばしがしにくくなる
●曲げ伸ばしや体重をかけた際に痛みを生じる
●膝が腫れたように膨れたり熱をもつ
●膝のお皿が浮き上がっている感じがする
といった症状がみられます。

膝に水が溜まる原因

加齢による関節の炎症

年齢を重ねるにつれて膝の軟骨がすり減ってきます。

膝を支える筋力の低下により、膝への負担が増えて炎症を起こします。

また軟骨がすり減った際にその破片が異物となり、排除しようと身体が反応して滑液が過剰に分泌されます。

怪我や事故による損傷

スポーツや事故によって膝を守る靭帯や、半月板というクッションが損傷を起こしていると身体が修復しようとする反応で炎症を起こします。

このように損傷を伴って溜まってしまった滑液には血液が混じっている事があります。

オーバーユース(使いすぎ)

長時間歩いたり、階段を昇り降りしたり、スポーツをしたりなど膝への過剰な負荷によって関節へのストレスがかかる事でも水が溜まってしまう事があります。

関節の病気

体の関節が破壊されていく関節リウマチや変形性膝関節症、痛風など関節に炎症を起こす病気に侵されていると、膝に水が溜まります。

膝に水が溜まった時は何科?

膝が腫れぼったくて水が溜まっているような状態になったらまず病院、整形外科を受診した方が良いです。

何か病気がないか、膝の関節に問題がないかを医師に診断してもらいます。

必要であれば膝の水を注射器で抜く事もあります。水を抜く事で関節に溜まった水に血液が混じっていないかを判断できます。

膝の水を抜くとクセになる?

よく患者さんから質問されますが、膝の水を抜くとクセになるとの噂があります。

確かに膝の水を抜いて一時は楽になりますが、しばらくするとまた同じように溜まってしまいます。

これはクセになっているというより、水が溜まってしまう原因である炎症が治まっていないからまた溜まってしまうのです。

膝に水が溜まった時の対処法

安静にする

膝に水が溜まる原因は関節の炎症です。

炎症を抑えるには刺激を与えないで安静にする事が一番です。

よく繰り返し水が溜まってしまう患者さんはスポーツを繰り返したり、長い距離を歩いたり、正座を繰り返したりする人が多い傾向があります。

そうなると炎症は治りにくいため、膝の症状もなかなか改善しません。

くせになっていると訴える人は安静にしていない事が原因である事が多いです。

冷やす(アイシング)

炎症は、冷やす事で軽減してきます。

特に腫れて熱を持っている場合は保冷剤などで患部を冷やす事で症状を軽減させる事が出来ます。

※関節リウマチや変形性膝関節症などでは冷やすと逆に痛みが強まったり、関節が動きにくくなったりする事もあるので医師の指示を仰ぐ事をお勧めします。

医師に水を抜いてもらう

膝に水が溜まっている状態だと関節が圧迫されているため、曲げ伸ばしに支障があります。

病院で医師に水を抜いてもらうとしばらくら楽になる事が多いです。

膝に溜まった水は注射器によって抜きます。

膝に溜まった水を抜いてもらった後は、関節内の炎症を和らげるためにステロイドというホルモンの一種を注入する事もあります。

ステロイドを注入する事によって滑膜や関節内に起こっていた炎症が鎮静化し、痛みも和らぎ、水が再度溜まりにくくなります。

しかし、ステロイドは長期間続けたり、頻回に注入すると感染症を起こしやすかったり骨粗しょう症や糖尿病になるリスクが高まるため注意が必要です。

膝に水が溜まらないための予防法

水が溜まるのは膝にストレスがかかってしまうからです。

特に膝は曲げ伸ばしが得意な動きですが、捻れるような動きや横方向からの剪断力に弱いという特徴があります。

なるべく捻りや横方向からのストレスがかからないようにする事が膝へのストレス軽減に繋がり、水が溜まるのを予防する事が出来ます。

サポーターを着用する

膝用のサポーターを着用する事で負担を軽減する事が出来ます。

色々なものが市販でありますが、マジックテープなどで止められるような膝の捻じれを防止するような形状のものが望ましいです。

和式の生活から洋式の生活を

特に高齢者で膝に水が溜まる場合、変形性膝関節症である事が多いです。

和式生活で、正座やしゃがみ動作が多いと膝への負担を強めてしまい症状を悪化させる原因となります。

膝に負担のかからない和式生活から洋式生活に変える検討も必要です。

体重を減らす

膝は動作において全体重を支えなければなりません。

体重が重たければ重たいほど膝へのダメージがかかりやすくやります。

体重を減らす事も膝に水が溜まるのを予防するのに非常に重要となります。

膝にストレスをかけない体づくりを

膝の下には足首、上には股関節があり、その両者の影響を大きく受けます。

例えば

足首の動きが悪かったとしたらそのすぐ上にある膝に大きな負担がかかります。

股関節の筋肉が弱っていたらその下にある膝に大きな負担がかかります。

つまり足首と股関節の動きが膝へのストレスを左右します。

また足首や股関節だけでなく、背骨や骨盤の位置からも膝へのストレスは変わってきます。

姿勢は人によって様々なので、それぞれに見合った運動を実施する事が大切です。

足首の動きや股関節、骨盤、背骨の動きがどうなっているのか?

理学療法士やトレーナーなどにしっかりと自身の体を評価してもらい、膝にストレスをかけている原因を明確にしそれに見合ったリハビリを受ける事が予防となります。

まとめ

●膝に水が溜まる原因は、膝へのストレスにより炎症を起こしているからである。

●溜まっている水の正体は滑液という関節の動きを良くしたり、栄養を与えている液体である

●対処としては安静、アイシング、水を抜く、膝に負担をかけない体を作る事である

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