栄養士が教えるちくわの栄養と効能!ダイエットにも有効?レシピも
皆さんスーパーで気軽に買って食べている「ちくわ」
どんな栄養があるのか知ってますか?
実は魚から作られているから栄養たっぷり!
ダイエットでも筋肉つくりにも役立つ優れものなんです。
今回は「ちくわ」について詳しく解説していきますね。
練りものってジャンクフード?
ちくわは練りものの一つです。
練りものはあまり身体に良くないというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、練り物の主な原材料は魚のすり身。
練り物を食べることは、身体に良いとされる魚の栄養を摂取することになるのです。
練り物の中でも、ちくわはとくに栄養価に優れていて、ダイエット中の方や筋トレ中の方にもってこいの食品なのです。
忙しい方なら手軽で栄養たっぷりのちくわがおすすめ
ちくわは、仕事や家事で忙しい方におすすめしたい食品。
調理がしやすく、しっかりと栄養摂取ができるちくわは、慌ただしい毎日を送っている方にかなり重宝されるはずです。
とくに、「忙しくて、魚料理なんて作っていられない」という方は、魚料理の代わりにちくわを食べるのが良いです。
次の項目にて、魚料理の代わりにちくわ料理を食べることについて、詳しくご説明していきます。
魚料理の代わりに「ちくわ」をおすすめする理由
日頃食べる魚料理の代わりに、ちくわを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ちくわは魚よりも理にかなった点が多い食品です。
魚料理の代わりにちくわをおすすめする理由をお伝えしていきます。
魚よりも日持ちが良い
魚は、あまり日持ちしないため、買ってきたその日に調理し、食べる必要があります。
一方、ちくわは未開封なら一週間ほど日持ちするため、あわてて消費する必要はありません。
魚よりも、買い置きに向いている食品だと言えますね。
いつでも売っている
仕事終わりにスーパーに立ち寄ると、魚があまり売られてない・・・なんてことありませんか?
ちくわなら、いつでも売られているため、その心配はありません。
お好みの魚が売られていなかった場合には、ちくわを買うのが良いでしょう。
調理が簡単
魚の調理は、下処理が必要であったり、生臭さが残らないようにグリルの掃除を念入りにしなければならなかったりと、いろいろと面倒だ点が多いですよね。
その点、ちくわは袋から出し、切って調理するだけ。
後片付けに関しても何の苦労もありません。
魚料理を作るよりも、ちくわ料理を作った方が断然時短となります。
生臭さがない
魚料理が嫌いな方は、魚の生臭さが得意でないという方が多いのでは?
そんな、魚の生臭さがどうしても受け入れられないという方は、魚料理の代わりにちくわを食べましょう。
ちくわなら生臭さは一切ありませんから、不快感なく、おいしく魚の栄養を摂取することができますよ!
なんと言っても価格が安い
ちくわは、一袋100円くらいで買うことができるため、かなり安い食品と言えます。
魚よりも断然お求めやすく、魚料理よりもちくわを多く取り入れた方が、出費が抑えられて家計が助かります。
ちくわの栄養
ちくわに含まれる栄養素の中で、健康に良い影響を及ぼすものをご紹介していきます。
タンパク質
生命を維持していくために必要な栄養素。
体の骨格や筋肉、皮膚などの合成成分になっています。
1本・・・・3.7mg
100g・・・ 12.2mg
不飽和脂肪酸(EPA・DHA)
不飽和脂肪酸の中でも、魚の油に多く含まれるEPAやDHAは血液中の中性脂肪の濃度を低下させる効果があります。
1本・・・・0.35g
100g・・・ 1.18g
カルシウム
骨や歯を丈夫にしたり、心を落ち着かせたりする効果があります。
1本・・・・4.5mg
100g・・・ 15mg
リン
カルシウムと同様に、骨や歯を丈夫にします。
また、糖質をスムーズに代謝するのに役立ちます。
1本・・・・33mg
100g・・・ 110mg
鉄
貧血予防や疲労回復に効果があります。
1本・・・・0.3mg
100g・・・ 1.0mg
貧血気味の方はこちらの記事を参考にして下さいね。
関連:貧血の予防!鉄分不足を改善して毎日いきいきと!ダイエット時にも
疲れている人はこちらの記事に回復するレシピがありますよ。
関連:疲れを取る食べ物はこれだ!免疫力をアップする疲労回復メニュー
ビタミンD
カルシウムの吸収を良くして、骨や歯を丈夫にするのに役立ちます。
1本・・・・0.1μg
100g・・・ 0.4μg
ビタミンB12
貧血予防に役立ちます。
さらに、タンパク質の体内合成に関係する栄養素であるため、成長促進や肝臓疾患予防に効果もあります。
肝臓に良いたべものを紹介しています。参考にしてみて下さい。
関連:理栄養士が教える!肝機能を改善する肝臓に良い食べ物30選
1本・・・・0.2 μg
100g・・・ 0.8μg
ちくわがダイエットに効果的!?
ちくわは、一本40kcalとかなり低カロリー。
しかも、ちくわには中性脂肪を減らす効果があるEPAやDHAなどの飽和脂肪酸が含まれています。
そのため、ちくわはダイエットにも最適で、ダイエット中の食事に取り入れることで、効率よく痩せられることが期待できます。
ちくわが筋トレに効果的!?
ちくわを食べることで、しっかりとタンパク質摂取ができるため、ちくわはダイエットだけでなく、筋トレにも最適な食品。
しかも、ちくわに含まれるタンパク質はアミノ酸のバランスが非常に良く、効率良く筋肉が作られるため、筋トレ中の食事に取り入れるのがおすすめです。
他の練り物と比較!!
ちくわとかまぼこやさつま揚げ、魚肉ソーセージを比較していきます。
かまぼこ
は、ちくわに比べてカロリーが低いですが、ちくわよりもかなり塩分含量が高いため、あまり量を食べてはいけません。
100gあたりのカロリー
ちくわ・・・・121kcal
かまぼこ・・・95kcal
100gあたりの塩分
ちくわ・・・・2.1g
かまぼこ・・・2.5g
さらに、かまぼこはちくわよりもビタミンの含有量が少ないため、ビタミンを多く摂取したい方はかまぼこよりもちくわを食べると良いでしょう。
さつま揚げ
ちくわは、材料を固めて焼いて作られる一方、さつま揚げは揚げて作られるため、ちくわよりもカロリーが高くなります。
100gあたりのカロリー
ちくわ・・・・121kcal
さつま揚げ・・・139kcal
そのため、カロリー摂取を控えたい方はさつま揚げよりもちくわを食べた方が良いでしょう。
魚肉ソーセージ
魚肉ソーセージは、ちくわよりビタミンやミネラルの含有量が多いというメリットがあります。
ビタミンB1・B2・B6・ナイアシン・パントテン酸・カルシウム・リン・亜鉛・銅・マンガンが多いです。
ちくわ | 魚肉ソーセージ | |
ビタミンD | 1.2μg | 0.9μg |
ビタミンE | 1.2mg | 0.3mg |
ビタミンK | 0 | 0 |
ビタミンB1 | 0.05mg | 0.20mg |
ビタミンB2 | 0.08mg | 0.60mg |
ビタミンB6 | 0.01mg | 0.02mg |
ビタミンB12 | 0.8μg | 0.3μg |
ビタミンC | 0 | 0 |
葉酸 | 4μg | 4μg |
パントテン酸 | 0.04mg | 0.06mg |
ナトリウム | 830mg | 810mg |
カリウム | 95mg | 70mg |
カルシウム | 15mg | 100mg |
マグネシウム | 15mg | 11mg |
リン | 110mg | 200mg |
鉄 | 1.0mg | 1.0mg |
亜鉛 | 0.3mg | 0.4mg |
銅 | 0.03mg | 0.06mg |
マンガン | 0.03mg | 0.11mg |
一方、デメリットもあります。
魚肉ソーセージは、血液中の中性脂肪やコレステロール濃度を上昇させる働きがある飽和脂肪酸がかなり多く含まれています。
100gあたりの飽和脂肪酸
ちくわ・・・・0.48g
魚肉ソーセージ・・・2.53g
そのため、中性脂肪値やコレステロール値が気になる方はあまり食べない方が良いかもしれません。
筋肉をつけたい人のちくわレシピ
ちくわ以外にも、タンパク質がたっぷりと摂取できる食品を多く使ったレシピを2つご紹介していきます。
タンパク質をたっぷりと摂取することで、筋肉増強に役立ちますよ。
豆腐とちくわの卵とじ
材料(4人分)
・絹ごし豆腐 1丁
・ちくわ 3本
・玉ねぎ 1/3個
・絹さや 30g
・あげ玉 30g
・卵 3個
○だし汁 1カップ
○しょうゆ 大さじ1.5
○お酒 大さじ1
○みりん 大さじ1.5
○砂糖 小さじ1
○塩 少々
作り方
1. ちくわは斜め切りに、玉ねぎは薄切りにする。絹さやは筋をとり、せん切りにする。
2. 卵を溶きほぐす。
3. フライパンに○を合わせ、玉ねぎを広げ入れる。豆腐を12等分にしてのせ、ちくわを散らし、強火にかけてひと煮立ちさせ、ふたをして弱火で5~6分煮る。
4. 豆腐が芯まで温まったら、強火にしてもうひと煮立ちさせ、絹さやを散らしてさっと煮、あげ玉を散らす。
5. 最後に溶き卵をまわし入れ、中火にしてふたをし、1分~1分30秒ほど火を通す。
チーズちくわの肉巻き
材料(2人~3人分)
・ちくわ 4本
・ベビーチーズ 2個
・豚薄切り肉 4枚
○砂糖 大さじ1/2
○しょうゆ 大さじ1.5
○みりん 大さじ1.5
作り方
1. チーズを横に4等分にしてちくわに詰める。ちくわに豚肉を巻いて2等分に切る。○は合わせておく。
2. 熱したフライパンに油をひいて1を焼く。肉の色が変わったら、合わせておいた○を入れて照りが出てきたら完成。
ダイエットしたい人のちくわレシピ
ちくわよりも、さらに低カロリーな野菜やキノコをたっぷりと使用したレシピを2つご紹介していきます。
野菜やキノコは、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、かなりダイエット向きなレシピとなっていますよ。
ちくわのコンソメスープ
材料(2人~3人分)
・ちくわ 3本
・レタス 半分
・玉ねぎ 半分
・にんじん 1/2本
・ピーマン 1個
・水 600ml
・コンソメ 2個
・こしょう 少々
作り方
1. 野菜を一口大に切る。ちくわは輪切りにする。
2. お湯を沸かして、野菜とちくわを煮る。
3. にんじんに火が通ったら、コンソメを入れて2~3分煮詰めたら完成。
きのことちくわのバタポン炒め
材料(2人~3人分)
・えのき 1袋
・エリンギ 1パック
・ちくわ 3本
・バター 小さじ1
・ポン酢 大さじ2
・青のり 適量
作り方
1. えのきとエリンギは石づきをとり、長さを半分にし、食べやすくほぐしておく。ちくわは斜め切りにする。
2. フライパンに油を熱し、ちくわを炒める。色がついたらきのこをすべて入れ、炒め合わせる。
3. きのこがしんなりしたらバターを入れ、バターが溶けたらポン酢を回しかける。
4. ポン酢がなじんだら器に盛り、青のりをかけて完成。
塩分の摂りすぎに注意しよう
ちくわは、塩分が多い食品です。
ちくわを1日に2本食べたとすると、1.4gの塩分摂取となります。
1日の塩分摂取の推奨値は6g未満とされているため、ちくわ2本だけでも1日の塩分摂取の1/5を満たします。
調理や味付けをすればさらに塩分摂取量が多くなってしまうでしょう。
塩分を摂りすぎると、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病になるリスクが高まったり、身体が水分を引き寄せやすくなってむくみやすくなったりします。
そのため、ちくわを食べる本数と塩分が含まれる調味料の使用量には注意が必要です。
ちくわの添加物に注意
ちくわには添加物が使用されているものが多いです。
どのような添加物が使用されているのか、そして体への影響はあるのか、ということについて詳しくご説明していきます。
ソルビン酸
ちくわはソルビン酸と呼ばれる食品添加物が使用されているものが多いです。
ソルビン酸には腐敗防止の働きがあり、細菌やカビの繁殖を防ぐために添加されます。
基本的には体に悪影響が出ないが使用されていますが、発がん性を示唆する報告もされているため、ちくわを食べ過ぎることは避けた方が良いでしょう。
リン酸塩
さらに、ちくわにはリン酸塩と呼ばれる食品添加物も使用されていることが多いです。
リン酸塩は保存性を高めたり、結着させたりするために添加されます。
ソルビン酸と同様に、使用されているリン酸塩の量は基本的に、体に悪影響が出ない量です。
しかし、摂取しすぎることで腎機能の低下や骨粗しょう症を引き起こす可能性が示唆されているため、ちくわの摂取量には十分注意が必要です。
無添加のちくわもある!
添加物が使用されていない無添加のちくわも販売されているため、安心してちくわを食べたい方は無添加のちくわを購入することをおすすめします。
ただし、無添加のちくわは添加物が使用されているちくわよりも高価で、賞味期限が短いです。
「それでも、添加物の摂取はどうしても避けたい!」という方は無添加のちくわを購入することのが良いでしょう。
まとめ
今回は、ちくわはジャンキーな食べ物ではなく、しっかりと栄養摂取ができて、しかも家庭料理で取り入れやすい、優れた食品であることをお伝えしてきました。
ちくわは、忙しくて魚料理が食べられない方、そしてダイエット中の方や筋トレ中の方は積極的に食事に取り入れていくと良いですね。
ダイエット中の方や筋トレ中の方は、今回ご紹介したちくわのレシピを参考に、ちくわ料理を作って食べてみてください。
また、今までちくわを敬遠していたという方も、ちくわへの認識を改めて、効果的にちくわを取り入れた食生活を始めてみてくださいね。
小川真実●文(栄養士)