管理栄養士が教える「腸活」代謝アップと美肌効果のある食べ物20選
「腸活」って、聞いたことありますか?
初めて聞いたよ~なんて方もいらっしゃるかもしれませんね!
管理栄養士の私もこの言葉を聞いたのはここ数年前のことです。
聞いただけで健康になれそうなこの「腸活」。どんなことなのでしょうか?
腸活とは
「腸活」とは、ひと言でいえば腸内環境を良くすることです。
腸内環境を良くするということは、腸内環境が悪いために起こる様々な体の不調を改善し、いきいきと生活できているということ。
そして、腸内環境が悪くなる原因には様々ありますが、悪玉菌が少なく善玉菌が多い状態にすることを主に「腸活」といいます。
腸活でどんな腸になる?
腸活をし善玉菌が多い腸は、腸が本来持っている機能を発揮します。
腸は大きく「小腸」と「大腸」に分かれています。
「小腸」ではタンパク質、糖質、脂質といったほとんどの栄養素や水分が吸収されます。
「大腸」では残りの水分と電解質が吸収され、余計なものを体外へ排泄する役割があります。
腸活がうまくいくと必要な栄養素を無駄なく取り込み、余分なものをどんどん排泄する腸になれます。
聞いただけでわくわくしませんか?
常に腸に重いものを感じる、腸から具合悪い気がする…女性なら誰しも体験しているかもしれません。
この様な不調が軽くなるような気がしますね。
では、腸活をして元気な腸を持つ体には、どのような嬉しい効果が期待できるのでしょうか?
腸活をすることによるメリット
代謝アップ!
腸は第二の脳と言われるほど神経が豊富で、腸が具合悪いと精神的にもダメージを受けてしまします。
腸活をして元気な腸でいるということは、体も心も元気だということです!
元気な体はエネルギーをどんどん消費します。
腸活
↓
元気な腸
↓
栄養素吸収しやすく余分なもの排泄
↓
心も体も元気
↓
更に栄養素を吸収しやすく余分なもの排泄
↓
もっと元気に
↓
代謝アップ
↓
元気な腸・・・
と、ぐるぐる良い回路が回り続けるんです!
腸を元気にすればするほど、栄養素の回路も順調になり心も体も元気に、代謝もどんどんアップします。
便秘解消
良い腸をもっている=便秘知らず
ということは、容易に想像できますよね。
腸活をし善玉菌の多い腸はよく働いてくれます。
消化吸収が促進され、蠕動運動もどんどん行われ、良い便を排泄してくれますよ。
自律神経が整う
第二の脳と言われるほど神経が豊富な腸です。
ヒトの感情を表現する迷走神経も腸にあります。
腸が具合悪いと自律神経も乱れてしまい自律神経失調症にもなりかねません。
血行促進
腸は必要な栄養素を取り込み余分なものを排泄してくれます。
必要な栄養素で満たされた体は代謝が上がり、結果血行も良くなるんです。
冷え性やむくみの改善
自律神経が整い血行が良くなると、体の隅々まで血液が行き渡りそれに伴い酸素も体の隅々まで行き渡ります。
それにより冷え性改善、むくみ知らずの体になりますよ。
美肌効果
余分なものを溜め込まず、隅々まで酸素の行き渡った細胞は栄養素もしっかり受け取り、ターンオーバーもどんどん行われます。
便秘は肌荒れの原因にもなりますから、肌荒れ知らず、キレイな細胞で美肌効果が期待できますね!
口臭や体臭の解消効果
口臭や体臭の原因が腸内環境が悪いなんて、意外ですよね!
女性は腸内バランスが乱れがちですが、これが口臭や体臭の原因になるなんて恐ろしい!
腸内に悪玉菌が多いと臭いガスの素となり、それが口臭や体臭の原因になるんだそうです。
ちゃんとケアしているのになんだか改善されない・・・と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
その臭いの原因はもしかしたら腸内の環境のせいかもしれませんよ。
【腸活のやり方】良い腸にするには?
さて!腸活は善玉菌が多い腸だと説明しましたが、どうやったら善玉菌優位の腸になれるのでしょうか?そのやり方をご紹介します。
① 乳酸菌を摂る
腸には〇〇兆という数のとても多くの腸内細菌が存在しています。
腸にいい影響を及ぼす「善玉菌」悪影響を及ぼす「悪玉菌」そして体調やその時の状況によりどちらにもなりうる「日和見菌」。
乳酸菌を入れることによって、悪玉菌が腸から減り、日和見菌も悪影響を及ぼすことがなくなります。
② 食物繊維を食べる
「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があります。
不溶性食物繊維は腸を刺激し、便のかさを増やします。
腸の中に発生している有毒なものも一緒に便として、体外に排泄してくれます。
水溶性食物繊維は腸内細菌の発酵を受けやすいという特徴があり、乳酸菌を増やしてくれる役割があるんです。
③ 発酵食品を食べる
発酵食品の菌は腸内にとって善玉菌です。
発酵食品を食べることによって、結果善玉菌を増やすことになります。
④ オリゴ糖を摂取する
オリゴ糖は善玉菌であるビフィズス菌のエサになります。
そして消化吸収されることなく腸まで届くので、効果が現れやすいのです。
腸活に必要な栄養素
腸活は善玉菌を増やすことですが、腸そのものを健康にすることも腸活に繋がります。
そのために必要な栄養素とはなんなのでしょうか?
それは、つまりバランスのいい食事といわれるものです。
乳酸菌や食物繊維などで善玉菌を増やすことは何度も触れましたが、それだけでは本当に腸の健康にはつながりません。
その腸からしっかりとした栄養素を吸収させないと体の細胞もちゃんと機能しませんから、様々な体の不調につながってきます。
バランスのいい食事とは?
バランスのいい食事とはタンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素を中心とし、ビタミン・ミネラルなどの微量栄養素が不足なく摂れている食事のことです。
こういわれるとちょっと難しいですよね。
出典:農林水産省
農林水産省から出ている「食事バランスガイド」です。
1日に何をどれだけ食べたらよいかの見本です。
「食生活指針」により定められているもので、日本人が健康に、生活習慣病も予防できるようにしっかりと考えられたものです。
参考にしてくださいね。
ビタミン・ミネラルでおすすめの栄養素
管理栄養士の私の見解では免疫力を高め、疲れにくい体にする栄養素が不足すれば虚弱体質や疲労、ストレスなどにもつながります。
結果として腸の不調が悪化するのです。
ですから
- ビタミンB群・・・栄養素を体にしっかりと回してくれる
- ビタミンE・・・抗酸化作用があり細胞の老化を防止する
- カルシウム・・・筋肉を円滑に動かす役割のある
- 鉄・・・全身に酸素を行き渡らせる
- ビタミンC・・・鉄などの吸収力を高める
がおすすめです。
腸活におすすめの食べ物
腸活には善玉菌を増やす食べ物や、食物繊維、そして栄養素を紹介してきました。
では、どのような食べ物に含まれているのでしょうか?
おすすめの食べ物をピックアップしていきますね!
乳酸菌が含まれる食べ物
ビフィズス菌は乳酸菌の一種になります。
主に乳酸菌飲料やヨーグルトに含まれています。
その他にも、乳酸菌が含まれる食べ物としてチーズやぬか漬けなどの漬物類、味噌や醤油などにも含まれています。
発酵食品
乳酸菌と混合しやすいですが、発酵食品全てに乳酸菌が含まれているわけではありません。
発酵菌の中に乳酸菌があるんです。
発酵食品に含まれる菌には主に乳酸菌、納豆菌、酵母菌、酢酸菌、麹菌などがあります。
食酢やアルコール類、甘酒、納豆、パンなどに含まれています。
食物繊維
不溶性の食物繊維は玄米やそばなどの穀物類、いも類、根菜類や豆類、きのこ類などに多く含まれています。
水溶性の食物繊維は果物やこんにゃく、寒天などの多く含まれています。
そして、海藻類には両方の食物繊維が含まれています。
オリゴ糖
オリゴ糖が含まれる食品には、野菜類や豆類、牛乳やはちみつなどに含まれていますが、腸の調子を整えるほどの量が含まれているとは限りません。
そのため、市販されているオリゴ糖を使用するのをおすすめします。
筆者も経験済みですが、オリゴ糖の整腸作用は効果抜群ですよ。
ビタミン・ミネラル類
ビタミンB群や鉄が含まれる食品として、レバーや卵、魚介類や肉類、そして豆類など、タンパク質の効果も期待して様々な食品に含まれています。
またカルシウムは小魚や小エビ、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品などに含まれます。
ビタミンCは果物やいも類、野菜類などに含まれ、ビタミンEは青魚やナッツなどに多く含まれています。
腸活は朝ごはんが大事!
「腸活」にはバランスのいい食事、またバランスのいい食生活が大切です。
生体リズムに従って食事をとることは大変望ましく、健康にいいとされています。
その1日のスタートである朝食をしっかりとることによって、脳が活性化され1日の生体リズムが整います。
また、朝食をとることによって内臓にもスタートをかけ、活発に動き始め排便を促し、熱を発生させ代謝を上げる役割ももっています。
体の代謝がいいということは健康であるということです。腸にとってもいい効果がありますね。
しかし、胃腸の弱い方などは朝ごはんを食べると逆に調子が悪くなってしまう人もいらっしゃると思います。
そのような人はしっかりとした朝食は逆に胃腸に負担をかけ、体が重くなり1日の気分が乱される場合もあります。
筆者はまさにそれで、あまりしっかり食べると1日の気分が落ち込みがちになってしまいます。
何も食べないとか、コーヒーだけとかだと脳のブドウ糖が枯渇し飢餓状態になってしまいます。
それを防ぐためにも軽めに食べられるものを、あとで不快にならないものをお腹に入れましょう。
朝食はこれを食べよう
和食
バランスのいい食事の代表といったら和食ではないでしょうか。
納豆に卵、魚、漬物、おひたし、のり、味噌汁に豆腐など。
発酵食品もあり、タンパク質や野菜類もバランスよく含まれています。
洋食
パンだけではバランスが悪いです。
メインの卵に、スープには野菜を入れて。パンにはバターよりもフレッシュなジャムがおすすめです。
そして発酵食品やタンパク質補給にヨーグルトを添えられるといいですね。
どちらの食事も果物がつけられると完璧です。
「朝の果物は金」と言われています。
朝に果物を摂取することによってエネルギーになりやすい糖を補給できます。
また生の酵素で朝の排泄の時間と合わせて毒素を排泄してくれるという役割もあります。
そのため食欲のない人は消化の良いフレッシュなフルーツだけでもいいので、朝ごはんに取り入れることをおすすめします。
ヨーグルトなども食べやすいので、乳酸菌やタンパク質補給の為にフルーツとヨーグルトの朝ごはんでもいいですね。
また時間のある人や果物でも重いという人はスムージーなどを作ってみてもいいでしょう。
腸活の為のおすすめ献立
腸活には善玉菌、食物繊維、バランスのいい食事が理想的だということがわかりました。
これを取り入れたおすすめの献立を紹介します。
朝食
朝ごはんはとても大切です。
和食
① 魚(干物など)、漬物、味噌汁(野菜を入れて)、ご飯
② 卵、納豆、おひたし、味噌汁、ご飯
③ 卵、豆腐、漬物、味噌汁、ご飯
プラス果物
発酵食品は1、2品を意識できるといいですね。
洋食
① 卵(目玉焼きやオムレツなど)、サラダ(簡単にトマトだけでも)スープ(野菜で具だくさんに)、ヨーグルト、果物
洋食はレパートリーが少なく、発酵食品を取り入れるのも難しいです。
ハムやベーコン、ソーセージなどを加えたくなりますが、塩分が高く添加物も多い食品の為、朝からあまり食べることはおすすめできません。
簡単な朝
① ヨーグルトと果物
② ドリンク
バナナと牛乳や豆乳又はヨーグルト
お好きな果物と野菜で(りんご、キウイ、小松菜、セロリなどが食物繊維やオリゴ糖補給の為おすすめ)
どのドリンクにも蜂蜜を入れればオリゴ糖やエネルギーになる糖の補給になります。
昼食
昼食でお弁当を持参する人はメインとなる肉、魚、卵などをしっかりと。
おかずには傷みにくく食物繊維があるものを。
① きんぴらごぼう
② ひじきの炒り煮
③ 切り干し大根の炒り煮
④ 五目豆
⑤ 青菜とコーンのソテー
⑥ さつまいもの甘煮(リンゴも入れられるとベスト)
⑦ ピーマンソテー
など、考えればいくらでも出てきますよ。
そして、発酵食品でもあり傷みにくい漬物を入れたいですね。
また社食やコンビニで済ませる方におすすめなのは、食物繊維や栄養バランスが整った食事、発酵食品を使用しているメニューがおすすめです。
① 蕎麦(なめこおろしや山菜、とろろ蕎麦など)卵が添えられればベストです。
② 親子丼
かつ丼などもありますが揚げ油が多く頻繁に食べるのはおすすめできません。
親子丼なら必要なタンパク質もしっかりとれますし、そこに味噌汁やおひたしなど添えられたらベストです。
③ カレーライス
カツを追加するよりも卵を追加したいです。
また、大盛りにするなら何か野菜類を一品追加しましょう。
食後にヨーグルトなどがあればベストです。
④ 定食メニュー
生姜焼き定食や焼き魚定食などタンパク質がしっかりとれるものがおすすめです。
味噌汁の発酵食品や、おひたしや漬物などで野菜がとれるものがいいですね。
夕食
夕食はゆっくりと食べられ栄養補給できるチャンスです。
もう寝る時間も近いので食物繊維が多すぎて消化不良になってはいけません。
消化が良く、栄養価が高く油分が低めの食事を意識しましょう。
また発酵食品も取り入れたいですね。
おすすめは一汁三菜です。これを意識すれば献立が立てやすいのではないでしょうか。
① メインに肉or魚を
② 小鉢は二品。
おひたしや根菜類の煮物、野菜炒め、酢の物で発酵食品、タンパク質を補いたい場合は納豆和えや冷奴、白和えなど。
③ 汁物
発酵食品でもある味噌を使用した味噌汁がおすすめです。
味噌汁にもタンパク質補給のために豆腐や油揚げ、アサリなど入れてもいいですし、野菜類が足りなかったら具だくさんの味噌汁にしてしまいましょう。
※朝昼と汁物をとっている場合、塩分過多になる恐れがあるため夕食の汁物を控え、何か一品塩分の少ないものに切り替えてください。
あなたの生活習慣は大丈夫?
腸活をする前に、あなたは腸にいい生活をしているのかチェックしていきましょう!
- ストレスがたまっている
- 疲れている
- 睡眠不足である
- 夜型生活である
- 運動不足である
- 朝ごはんを抜いている
- 便秘気味
- 下痢気味
- おならがよく出る
- 外食が多い
- お菓子が好きでよく食べる
- 毎晩晩酌をしつまみも必ず食べる
- コンビニやスーパーのお総菜に頼りがち
- 野菜不足
- ご飯を食べずに麺類やパンばかり
- 脂の多い肉や油っこい食事が多い
- 一品料理で済ませがち
- 発酵食品を食べた記憶がない
- 消費期限を守らない、気にしない
このような習慣は腸をダメにします。
ストレスや疲れも腸にはよくありません。
食習慣もかわってしまい、暴飲暴食や食事の支度をする気力がなくなるとお総菜など簡単なもので済ませようとますます腸に悪影響を及ぼすことになります。
腸活に良い飲み物
腸活に良い飲み物があれば手軽ですし取り入れたいですよね!
どんなものがいいのでしょうか?
スムージーなど自分で作れるドリンク
朝ごはんでもご紹介しましたが、色々な野菜や果物を使用したスムージーやヨーグルト、豆乳や、オリゴ糖でもあるはちみつを入れたドリンクはおすすめです。
飲むヨーグルト
ヨーグルトは発酵食品です。市販されているもので手軽に取り入れることができますね。
今では特定保健用食品などさまざまな種類のドリンクがありますので、色々試してみてはいかがでしょうか。
乳酸菌飲料
これもさまざまな種類が発売されています。管理栄養士の私も体験済ですが、乳酸菌飲料は効果抜群です。
甘酒
甘酒は発酵食品です。米麹甘酒を選びましょう。
サワードリンク
黒酢やリンゴ酢などの果実酢を割って飲みます。
飲み辛かったらはちみつなどを入れてましょう。
お茶
発酵食品であるお茶類を普段の水分補給に取り入れましょう。
コンブチャ
昆布茶ではなく、コンブチャです。
今話題になっていて、海外のセレブには愛飲者が多いです。
その正体は紅茶を発酵させたもので、乳酸菌や酢酸菌が豊富に含まれているものです。
ということは発酵飲料であり腸活にはもってこいなんですね。
「おいしい腸活 流々茶」(サントリー)
サントリーから最近発売された商品です。
このお茶には「イヌリン」が含まれており、イヌリンとは食物繊維の一種で、ビフィズス菌を増やす働きがあるとされています。
またこのお茶には腸の蠕動運動を促す作用があるとされているようです。
赤ちゃんにも影響する妊婦による腸活のメリット
腸は第二の脳といわれるほど神経が豊富で、腸活をすることによりストレス軽減や自律神経の乱れを整えます。
妊娠中のストレスや自律神経の乱れは赤ちゃんにダイレクトに影響してしまうため、腸活によりこれらを整えれば赤ちゃんはすこやかにお腹の中で育ちます。
また、便秘体質の妊婦さんから産まれた赤ちゃんはアレルギー体質になりやすいんです。
妊娠中から腸活をし便秘予防をしておけば、赤ちゃんがアレルギー体質になる確率が低くなります。
まとめ
腸は第二の脳であり、人間の感情や体の調子をコントロールします。
「腸活」によって体のさまざまな不調を改善することは健康になることにつながり、美肌やダイエット、免疫力の向上や生活習慣病予防にもつながります。
また、妊娠中の方も生まれてくる赤ちゃんの為にも是非「腸活」をとりいれることをおすすめします。
腸を健康にすることがこんなに体に影響するならすぐにでも行いたいですね!
筆者も生活を見直して「腸活」をし、体内から美を目指したいと思います!
藤井ゆき菜●文(管理栄養士)