栄養士が教える疲労回復レシピ・疲れを取る飲み物15選
この記事を読んでいる人はきっと疲れているのでは?と思います。
会社でのストレスも多いですし、どうしても避けられないものかと思います。
少しでもあなたが元気になれるように管理栄養士の先生が疲れへの対策を教えます。
今回の記事では
- 疲れのメカニズム
- コンビニで買える疲労回復の飲み物
- 自宅で作れる簡単ドリンクの作り方
を紹介していきます。
参考にしてくださいね。
疲労とは
疲労には末梢疲労と中枢性疲労の2種類があります。
末梢疲労は、運動や労働で筋肉を長時間使い続けたときに起こります。
一方、中枢性疲労は、人間関係や悩みごとなどによってストレスを感じ、脳が疲れている状態によって起こります。
末梢疲労は肉体的な疲労であり、中枢性疲労は精神的な疲労であることがわかりますね。
疲労回復には水分摂取が重要
私たちの体は60〜70%が水分から構成されています。
また全身に栄養を運ぶ血液も80%は水分です。
そのため水分は体にとって非常に重要であり、疲労を回復させるためには水分を十分に摂取して血液の流れを良くし、全身に栄養を行き届かせることが大切です。
疲労回復に役立つ栄養素
ビタミンB1
ビタミンB1には、筋肉や神経の働きをサポートし、体や目の疲れを解消させる働きがあります。
疲労回復には非常に効果的な栄養素です。
クエン酸
疲れたときにすっぱいものが食べたいと感じたことはありませんか?
これは細胞内でエネルギーを産み出すのにクエン酸が必要不可欠だからです。
疲労を感じたときにクエン酸を補うことでエネルギーが効率よく作られ、疲労を回復させることができます。
ビタミンC
疲労を感じたときには、体を酸化させる活性酸素という物質が過剰に溜まり、疲労を回復させる力が弱まってしまいます。
ビタミンCには活性酸素を除去する強い抗酸化作用があるため、ビタミンCを摂取することで疲労回復を促すことができます。
鉄分
鉄分が不足すると血液中のヘモグロビンが減少してしまいます。
すると体は酸欠状態となり、疲労を感じやすくなります。
そのため鉄分をしっかりと補うことが必要です。
酵素
酵素が不足すると疲労物質である乳酸を取り除くことができなくなります。
さらに代謝や血流も悪くなるため、不足することのないよう十分摂取する必要があります。
BCAA
BCAAとはバリン・ロイシン・イソロイシンの総称で、この3つは体内では合成することのできない必須アミノ酸です。
BCAAは運動中に壊れた筋組織の修復をサポートし、筋肉の疲労回復を促す作用があります。
筋肉の疲労である末梢疲労に効果的ですね。
栄養ドリンクってどうなの?
多くの栄養ドリンクにはカフェインが含まれており、カフェインを摂取することで眠気が覚めて疲労を感じにくくなります。
ただし、カフェインの疲労解消は一時的なもので、カフェインの摂取を繰り返すと逆に疲れを感じやすくなる体質になってしまいます。
そして、疲れを解消するためにカフェイン摂取を繰り返した結果、過剰摂取となってしまう恐れもあります。
海外ではカフェイン中毒による死亡例もありますので、カフェインの含まれる栄養ドリンクの積極的な摂取はためらわれます。
また、栄養ドリンクには糖分が高いものが多くあまりおすすめはできません。
疲労回復におすすめな健康飲料
疲労を回復させる効果のある健康飲料を紹介します。
黒酢ドリンク
黒酢ドリンクには必須アミノ酸やクエン酸、ビタミンやミネラルなどが多く含まれています。
代謝を高めて血液循環も良くしてくれるため、疲労回復に役立ちます。
非常に低カロリーであるためダイエットに用いられることも多いです。
トマトジュース
運動中にトマトジュースを飲むことで、運動後の疲労感が軽減されると言われています。
トマトは抗酸化作用が強いため、体の酸化を防いで疲労を抑えることができます。
豆乳系ドリンク
大豆には肉体疲労を軽減させる働きがあるため、とくに激しい運動や肉体労働によって疲労を感じたときには豆乳系ドリンクが疲労回復に役立ちます。
牛乳
牛乳には必須アミノ酸の1つであるトリプトファンが含まれています。
トリプトファンは体にリラックス効果を与える成分です。
とくに寝る前に牛乳を飲むことで、リラックスして十分に睡眠をとることができ、疲労回復に役立ちます。
オレンジジュース
オレンジには疲労回復に役立つクエン酸が豊富に含まれています。
そんなオレンジをふんだんに使ったオレンジジュースは疲労回復に効果的な飲み物です。
ただし、オレンジジュースを購入する際には、クエン酸を多く摂取できるように果汁100%のものを選んでくださいね。
甘酒
甘酒にはたんぱく質、糖質、ビタミンB群など疲労回復に効果的な栄養素がバランスよく含まれています。
「飲む点滴」とまで言われるほど体を回復させる作用が強い飲み物です。
疲労回復に!お手軽な手作りドリンクレシピ10選
疲労の原因や症状は人によってさまざまです。
自分の疲労を回復する効果の高い食材を用いてドリンクを作ることで安全かつ非常に効果が得られやすいドリンクとなります。
今回ご紹介するレシピは簡単に作ることができるものばかりなのでぜひ実践してみましょう。
3種の柑橘フルーツジュース
●材料 (2人分)
オレンジでも)1/3個
グレープルーツ 1/2個
レモン果汁 1/2個分
水 50ml
●作り方
1果物の皮をむき、適当な大きさに切ってミキサーに入れる。
2全体が滑らかになったら完成。
ビタミンCやクエン酸が豊富な柑橘フルーツを3種類使うことで、非常に疲労回復効果が高いジュースとなっています。
りんごと白ゴマの豆乳スムージー
●材料 (2人分)
りんご 100g
白ごま 大さじ1
豆乳 150ml
はちみつ 小さじ2
●作り方
1りんごを適当な大きさに切ってミキサーに入れる。
2豆乳を加え、滑らかになるまでミキサーを回す。
3ごまを振る。
りんごに含まれるクエン酸とリンゴ酸にはいずれにも疲労回復効果があります。
また、ごま特有の成分であるセサミンも疲労回復に役立ちます。
トマトとパイナップルのジュース
●材料(2人分)
トマト 2個
パイナップル 1/4個
水 200cc
●作り方
1トマトとパイナップルを適当な大きさに切る。
2すべての材料をミキサーに入れて回す。
パイナップルは疲労回復に効果的なビタミンB1を多く含んでいます。
さらにビタミンB2やC、クエン酸などとの相乗効果によりさらに疲労回復が促されることが期待できます。
果実酢ドリンク
●材料(2人分)
お好みの果実酢 100ml
水300ml
●作り方
果実酢と水をよく混ぜ合わせる。
果実酢にはりんご酢や梅黒酢、ブルーベリー黒酢などがあり、お好みのフレーバーを選ぶことで美味しく飲むことができます。
クエン酸を豊富に摂取することができ、疲労回復効果が期待できます。
バナナのピーナッツ風味スムージー
●材料 (2人分)
バナナ 1本
ピーナッツバター 大さじ1
バニラアイスクリーム 大さじ3
牛乳100ml
●作り方
1バナナを適当に切ってミキサーに入れる。
2ピーナッツバターと牛乳を入れて滑らかになるまでミキサーを回せば完成。
バナナは、摂取してからエネルギーになるまでの時間が短く、すばやい疲労回復効果が得られます。
アイスクリームを使ったフローズンスムージーとなっているため、夏に飲むのがオススメです。
大根とベリーのレッドスムージー
●材料 (2人分)
大根 2cm
いちご 50g
ラズベリー 20g
牛乳 100ml
練乳 小さじ1
●作り方
1いちごはヘタを取り、大根は適当な大きさに切る。
2全ての材料をミキサーに入れ、十分に混ざったら完成。
大根には酵素が豊富に含まれており、代謝改善や血流改善などの効果が得られ、疲労回復に役立ちます。
いちごやラズベリーに含まれるクエン酸でさらに疲労回復が期待できます。
梅ぼしはちみつドリンク
●材料 (2人分)
梅干し 4個
はちみつ 大さじ2
お湯400ml
●作り方
1梅干の種を取り除く。
2マグカップに梅干とはちみつを入れて混ぜる。
3お湯を注いでさらに混ぜる。
梅干にはクエン酸が非常に豊富に含まれているため、クエン酸のエネルギーを産み出す作用を十分に受けることができます。
また、はちみつにはブドウ糖、果糖、ビタミンB1など疲労によく効く物質が豊富に含まれています。
甘酒牛乳
●材料(2人分)
甘酒100ml
牛乳200ml
●作り方
甘酒と牛乳を鍋に入れ、弱火で湯気が立つ程度に温める。
甘酒にはたんぱく質、糖質、ビタミンB群など疲労回復に効果的な栄養素がバランスよく含まれています。
牛乳で割って飲むことでさらに多くのタンパク質を摂取することができ、疲労回復に効果的です。
重曹ドリンク
●材料(2人分)
重曹3g
水400ml
●作り方
重曹を水に溶いてコップに注ぐ。
重曹を摂取することで体を弱アルカリ性に保つことができます。
体が酸性に傾くと、免疫力が低下して疲労を感じやすくなるため、体を弱アルカリ性に保つためにも重曹ドリンクの摂取がオススメです。
ココアとバナナの温活ホットスムージー
●材料 (2人分)
ピュアココア 1杯分
バナナ 1本
牛乳 200ml
●作り方
1牛乳を温めておく。
2全ての材料をミキサーに入れ、混ざり合えば完成。
ココアには血流を高める働きがあるため、筋肉への酸素・栄養供給を促進し、疲労回復を早めてくれます。
ホットスムージーであるため、体が温まってより血流が高まります。
疲れが取れないときに避けたい飲み物
疲れが取れないときには、カフェインや糖分を多く含む飲み物の摂取は避けましょう。
カフェインと糖分、それぞれ摂取を避けるべき理由をお伝えします。
カフェインを豊富に含む飲み物
カフェインの摂取を繰り返すと疲れを感じやすくなります。
カフェインを多く含む栄養ドリンクはオススメできません。
栄養ドリンク以外にもコーヒーや紅茶などはカフェインを多く含むため、疲労が溜まっているときの積極的な摂取は避けた方が良いでしょう。
カフェインを摂取すると眠気が覚めたり、集中力が高まったりするためついついカフェインに頼りたくなることもあります。
でもカフェインの摂取で根本的に疲労を回復させることはできません。
疲労回復を目的にカフェインを摂取することはオススメしません。
糖分を豊富に含む飲み物
市販のジュースは糖分をたっぷりと使っているものが多いですよね。
糖分たっぷりのジュースをぐびぐびと一気飲みすることで、血糖値が急激に上昇します。
血糖値が急激に上昇すると、イライラしたり、落ち着きがなくなったりなど心が不安定になり、疲労回復には遠ざかってしまいます。
そのため、疲労が溜まっているときには糖分を豊富に含む飲み物の摂取は避けた方が良いでしょう。
自分でできる疲労回復方法
疲労を回復させるためには、疲労回復に効果的なドリンクを飲むことに加え、休養をしっかりとること、栄養バランスの良い食事を3食食べること、適度に運動することが重要となります。
休養
休養と言えば睡眠をとることを思い浮かべるかもしれません。
睡眠時間が足りないと非常に疲労を感じやすいため、十分に睡眠をとることは、当然疲労回復において欠かせません。
しかし休養は寝ることだけに限らず、入浴やマッサージ、趣味をすることなども休養となります。
休養する時間をしっかりと確保して心身ともに休ませてあげてください。
食事
疲労回復において栄養バランスのとれた食事を摂取することが非常に効果的です。
摂るべき栄養をきちんと摂取できれば、効率よくエネルギーが作り出されて疲労を回復しやすくなります。
「疲れていて食事をとる気も起こらない・・・」なんてときこそしっかりと栄養摂取するべきなのです。
運動
「疲労を感じているのに運動するなんて逆効果なのでは?」と思うかもしれませんね。
これは、肉体的疲労を感じているときではなく、精神的疲労を感じているときに効果的です。
ストレスを感じて脳が疲れている状態であるときに運動することで、脳がリフレッシュされて疲労感を軽減させることができます。
また疲れを取る食べ物はコチラに書いてありますのでチェックしてみてくださいね。
まとめ
疲労回復に効果的なドリンクと言えば、栄養ドリンクを思い浮かべる方が多いかもしれませんが栄養ドリンクよりも黒酢やトマトジュース、豆乳ドリンクなどの健康飲料が疲労回復に効果的であることがわかりましたね。
また、今回は疲労回復に効果的な食材を使った疲労回復ドリンクのレシピをご紹介しました。
ご家庭でも簡単に作ることができるので、余裕のあるときには疲労回復ドリンクを手作りしてみてくださいね。
小川真実●文(栄養士)