納豆のタンパク質は万能!筋トレやダイエットに取り入れるべき10の理由
納豆は安価で手に入りやすい身近なタンパク質食品です。
手軽に摂取できるタンパク質食品の中でも、納豆は非常にタンパク質量が多く、さまざまな筋トレ効果やダイエット効果を持ち合わせています。
今回は納豆の栄養効果と効果的な摂取方法についてお伝えします。
納豆のタンパク質
納豆のタンパク質量とその特性についてお伝えします。
納豆のタンパク質量
納豆1パックあたりのタンパク質量は、種類や商品によって若干異なります。
粒納豆6.2〜7.9g
ひきわり納豆7.0〜7.6g
総合的に見ると、納豆1パックあたりのタンパク質量は、6〜8gであり、約7gと考えておきましょう。
日本人のタンパク質摂取推奨量は男性60g、女性50gとされているため、およそ2パックで1日に必要なタンパク質量の1/4を摂取することができます。
納豆とその他の手軽に摂取できるタンパク質食品のタンパク質量を比べてみました。
手軽に食べれる食品のタンパク質量(g/100g)
タンパク質量(g/100g) | |
チーズ | 29.0 |
納豆 | 16.5 |
ロースハム | 16.5 |
ソーセージ | 13.2 |
卵 | 12.3 |
サラダチキン | 8.0 |
豆腐 | 4.9 |
牛乳 | 3.3 |
納豆はチーズに次いでタンパク質量が多い食品であることがわかります。
手軽に摂取できる代表的なタンパク質食品の中で、納豆はタンパク質量が多い食品だということがわかります。
豆のタンパク質の特性
納豆のタンパク質には、体が正常に機能するために必要な9種類の必須アミノ酸がほぼかけることなく含まれており、非常に優秀なタンパク質です。
また吸収率においても約80%となっており、植物性タンパク質の中では非常に吸収に優れたタンパク質となっています。
納豆が筋トレに良い理由
納豆に含まれるタンパク質、亜鉛、カリウム・カルシウム、ビタミンBが筋トレに良い効果をもたらします。
また、高いアミノ酸スコアも筋トレに良いとされる理由の1つです。
筋肉の成長に必要なタンパク質が多い
納豆はタンパク質を豊富に含む食品です。
そのタンパク質の多さから納豆は筋トレに有効的な食品だといえます。
筋肉を成長させるためには、タンパク質が最も重要な栄養素であるため、納豆を積極的に摂取していくことは筋トレに効果的です。
テストステロンの分泌を高める亜鉛が多い
納豆に含まれる亜鉛には、テストステロンの分泌を促す作用があります。
テストステロンとは、筋肉の成長を促すホルモンです。
筋トレにおいては、このテストステロンの分泌をどれだけ増やせたかが筋肉の成長の差につながっていきます。
激しくトレーニングを行なった場合、多量の汗をかくと同時に、体内の亜鉛も減少してしまいます。
そのため、激しいトレーニングを行なって筋肉を増やしたい人ほどしっかりと亜鉛を摂取することが大切です。
筋収縮を促すカリウムとカルシウムが多い
カリウムとカルシウムは神経に働きかけて筋肉の収縮を促す栄養素です。
カリウムとカルシウムを十分に摂取することで筋肉の収縮が力強く行なわれるようになり、筋力を最大限に発揮することができるようになります。
よって、より大きい負荷のトレーニングが可能となり、筋肉の合成を促す刺激を大きくしていくことができるため筋肉の成長にプラスに働きます。
筋肉になるのをサポートするビタミンB群が多い
納豆には、ビタミンB郡(B1,B2,B12)が豊富に含まれています。
ビタミンB郡はたんぱく質が消化・吸収・分解されて筋肉の材料になるのを助ける働きがあります。
いくらタンパク質を充分に摂取しても、ビタミンB群が不足していれば筋肉は合成されません。
納豆を食べることでビタミンB郡を充足させ、筋肉合成を促すことができます。
納豆のアミノ酸スコアが高い
納豆のアミノ酸スコアは100近くあります。
アミノ酸スコアとは、必須アミノ酸9種類をどれだけバランスよく含んでいるかを数値化したものです。
筋肉は主にアミノ酸から作られるため、このアミノ酸のバランスが良いということは非常に効率よく筋肉を作ることができます。
アミノ酸スコアの最大値は100ですから、納豆は筋肉を作るための食品として非常に優れています。
納豆がダイエットに良い理由
納豆に含まれる大豆タンパク、大豆イソフラボン、大豆サポニンがダイエットに良い効果をもたらします。
また、低糖質である点もダイエットに良いとされる理由の1つです。
脂肪燃焼に働く大豆タンパクが多い
納豆の大豆タンパクには、脂肪を燃焼させる効果があります。
たんぱく質を摂取することは、筋肉量を高め基礎代謝を上げることにつながります。
他にも大豆タンパクは余分な脂質を体外へ排出させたり、コレステロールを低下させ内臓脂肪や中性脂肪を軽減させたりする働きがあり、多面的なアプローチでダイエットの手助けをしてくれます。
コレステロールを下げる大豆イソフラボンが多い
大豆イソフラボンは血液中のコレステロールを減らす働きをするため、ダイエットには効果的な成分です。
コレステロールが高くなると脂肪が溜まりやすくなり、痩せにくくなってしまいます。
大豆イソフラボンを摂取することでコレステロールの代謝を促しコレステロール値上昇を回避しましょう。
特に更年期の女性は、一度コレステロールが高くなってしまうとなかなか下がらないため大豆イソフラボンの摂取をおすすめします。
肥満を防ぐ大豆サポニンが多い
大豆サポニンは、体に脂肪が蓄積されるのを防ぎ、肥満防止に役立ちます。
また、血液中の悪玉コレステロールを下げる働きも持ち合わせているため、生活習慣予防としても効果的です。
納豆は低糖質
納豆100gあたりの糖質量はこのようになっています。
・粒納豆2.7g
・ひきわり納豆2.3g
ご飯に含まれる糖質量は100g当たり37gで、納豆の約15倍の糖質量です。
この数字を見ると、納豆の糖質量が非常に少ないことがわかりますね。
ナットウキナーゼで血液サラサラ効果も
ナットウキナーゼとは、納豆菌によって作られる酵素です。
大豆製品にはさまざまな酵素が含まれていますが、ナットウキナーゼは納豆にしか含まれません。
ナットウキナーゼには、血液をサラサラにしたり、血圧上昇を抑えたりする働きがあるため、生活習慣病予防にとても効果的です。
納豆の効果的な食べ方
効果的な納豆の食べ方について3つお伝えします。
納豆は夜に食べるのが良い!
納豆は夜に食べることでダイエット効果を得やすいです。
特に夕食前に食べることで食べすぎを抑えることができます。
また納豆には整腸作用のある納豆菌や食物繊維が含まれるため、夜に食べることで便秘改善の効果が得られます。
さらに、納豆特有の粘りに含まれるナットウキナーゼという成分は、納豆菌によって作られる酵素で、血液をサラサラにする働きがあります。
この効果は、納豆を摂取してから約10時間、体内で持続するため、眠りにつき血液が固まりやすい状態となる前の就寝前に摂取するのが効果的です。
血液をサラサラにすることは、体の代謝を上げ、自然と痩せやすい体づくりをする手助けともなるのです。
納豆は加熱せずに生で食べましょう
納豆に含まれるナットウキナーゼは、加熱すると成分が損なわれてしまうため、加熱せず生で食べましょう。
もし加熱をする際には、70℃以下なら成分が損なわれることはありません。
そのため、加熱料理にトッピングして食べても効果が薄れる心配はありません。
納豆は賞味期限ギリギリで食べるのがおすすめ
納豆は購入したてのものより、冷蔵庫で数日寝かせたものの方が発酵が進み、納豆菌やナットウキナーゼが増加します。
納豆菌やナットウキナーゼをより効率的に摂取するためにも、納豆は賞味期限ギリギリで食べるよう心がけてみてください。
納豆と相性の良い食品は
納豆と相性の良い食品を5つご紹介します。
納豆×ネギ
ネギに含まれる硫化アリルという成分は、血液中のコレステロールを下げる作用があります。
また、ビタミンB1の吸収を高めて疲労回復を助ける働きがあるため、納豆とネギを組み合わせて食べることは体を健康に保つのに役立ちます。
納豆×大根おろし
大根おろしと組み合わせることで、納豆と大根おろしの食物繊維を同時に摂ることができ、満腹感を得られる、便通を良くするといった効果が絶大です。
食事の前に納豆と大根おろしを組み合わせて食べれば、効果的に食べ過ぎを防ぐことができます。
納豆×卵
納豆と卵の組み合わせは筋トレに効果的です。
納豆に卵を加えることでカルシウムの吸収効果を高めることができ、筋収縮が促されることで筋肉の成長に役立ちます。
またダブルでタンパク質を摂取することができ、筋トレ中には最適な組み合わせです。
納豆×キムチ
キムチに含まれるカプサイシンは、エネルギーを消費し、脂肪燃焼させるためダイエット効果が得られます。
さらにキムチは納豆とともに基礎代謝を上げる働きをし、またどちらも発酵食品であるため、倍の整腸作用が期待できます。
ただし、漬物であるキムチは塩分量が多いため、食べすぎには注意しましょう。
納豆×オリーブオイル
オリーブオイルには食欲を抑える効果、中性脂肪の吸収を抑える効果のあるオレイン酸が含まれています。
さらに腸内の滑りを良くし、腸の動きを活発にするため、納豆とオリーブオイルの組み合わせはダイエットに効果的です。
納豆摂取の注意点
納豆を食べるときに注意するべき3点についてご説明します。
カロリー
さまざまな筋トレ効果、ダイエット効果を兼ね備えた納豆ですが、意外にも高カロリーで納豆1パック(約50グラム)のカロリーは、約100kcalです。
そのため、カロリー摂取を抑えている方は食べすぎることのないよう注意しましょう。
副作用
納豆は摂取しすぎると、生理の遅れや子宮内膜増殖症のリスクが高まります。
これは大豆イソフラボンの過剰摂取によりホルモンバランスを崩してしまうためです。
大豆イソフラボンの1日あたりの摂取上限は70〜75mgです。
納豆1パックに含まれる大豆イソフラボンは約37mgなので、1日に1〜2パックまでとするのが良いです。
ワーファリン服用時の納豆はNG
ワーファリンを服用している血栓症患者の場合には納豆の摂取に注意が必要です。
納豆に豊富に含まれるビタミンKはワーファリンの働きを妨害するため、納豆を一緒に摂取するのは絶対にNGです。
納豆1パックに含まれるビタミンK は300μgで1食のビタミンK摂取推奨量の18倍にもなります。
ビタミンKは通常、摂りすぎても問題になることはないので、ワーファリンを服用している人以外には特に問題ありません。
まとめ
納豆は手軽に摂取できる食品であるのに加え、必須アミノ酸含量や吸収率に優れたタンパク質を非常に多く摂取できる食品です。
また納豆に含まれる栄養成分は筋トレやダイエットに効果的に働くものが多く、食べるタイミングや調理の仕方、食べ合わせを工夫することでより良い効果を得ることができます。
納豆は好き嫌いが分かれる食品だと思いますが、筋トレやダイエット以外にも多くの健康効果に得られる食品であるため、多くの人におすすめしたいですね。
小川真実●文(栄養士)