寝る前にはbcaaとプロティンどっちを飲むべき?ズバリ回答!
筋肉をつくるには寝る前にBCAAを飲むべき!!
いやプロテインだ!!
その論争に終止符を打ちます。
今回は栄養の小川真美先生にズバリどちらを飲むべきが教えてもらいました。
トレーニング前後だけでなく寝る前にもbcaa
bcaaは、トレーニング前後に摂取するのが良いと言われていますが、実は、寝る前にも摂取することでbcaaの効果がより発揮されます。
bcaaはこまめに飲んだ方が体に吸収されやすく、一度にたくさんの量を摂取しても効果は得られにくいのです。
そのため、トレーニング前後にまとめてbcaaを摂取している方は、トレーニング前後に摂取する量を減らし、寝る前にもbcaaを摂取してみることをおすすめします。
bcaaとは必須アミノ酸である
bcaaとは、分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids)のことで、バリン・ロイシン・イソロイシンの3種のアミノ酸を指します。
この3種のアミノ酸は、体内では合成できない必須アミノ酸であり、筋肉のエネルギー代謝に深く関与しているため、体外からの摂取が必要不可欠です。
また、人間を構成する筋たんぱく質中の必須アミノ酸のbcaaの割合は約35%であり、人間の筋肉づくりに果たすbcaaの役割は非常に大きいです。
bcaaの効果
bcaaを摂取することで、筋肉量の維持・増強や、疲労回復、ダイエットに良い効果がもたらされます。
それぞれの効果について詳しくご説明していきます。
筋肉量の維持・増強に役立つ
bcaaは、筋肉量の維持・増強に役立つ栄養素です。
bcaaを摂取することで血液中と筋肉中のbcaa濃度が上昇し、筋肉から離れる必須アミノ酸の量が減少します。
要するに、bcaaを摂取すれば筋肉の分解が抑制されるということです。
bcaaの摂取によって筋肉の分解が抑制されるほかに、bcaaの一つであるロイシンは膵臓からのインスリン分泌を促進する作用があるため、インスリンの筋肉合成の働きを高めることができます。
bcaaにはこのような働きがあるため、摂取することで筋肉量の維持や増強が可能となるのです。
筋肉の疲労回復を促す
bcaaを摂取することで、筋肉の疲労回復を促すことができます。
運動量が多くなるほど、筋肉は破壊されて多くアミノ酸が消費されるため、アスリートや筋トレに励む方はとくに、筋疲労が溜まりやすいです。
bcaaをしっかりと摂取することで、筋肉の修復が早まり、筋肉の疲労回復を促すことができます。
脳の疲労を軽減する
bcaaには、筋疲労の回復を促すだけでなく、脳の疲労を軽減する効果もあります。
脳では、セロトニンという物質が増えることで、疲労を感じやすくなります。
bcaaにはセロトニンの発生を抑える作用があるため、脳の疲労を軽減することが可能です。
ダイエットにも効果的
bcaaは、ダイエットにも効果があります。
ダイエット中は、食事制限により食事の全体量が減ってタンパク質の摂取が不足になりがちです。
タンパク質の摂取が不足すると、体の筋肉量が落ちて基礎代謝も低下してしまいます。
基礎代謝が低下すると、日常生活や運動でのカロリー消費が減って痩せにくい体となってしまうのです。
ダイエット中にタンパク質の構成成分であるbcaaを摂取して筋肉量の維持に努めることで、痩せにくい体となることを防ぐことができます。
寝る前のbcaa摂取はどうして良いのか
寝る前にbcaaを摂取することで、睡眠中の筋肉分解を防いだり、bcaaの吸収を高めたりすることができます。
寝る前のbcaa摂取について詳しくご説明していきます。
睡眠中の筋肉分解を防ぐ
寝る前にbcaaを摂取することで、睡眠中の筋肉分解を防ぐことができます。
睡眠中には、飲み食いをしないために栄養不足の状態になりやすくなります。
特にダイエットや筋トレで食事制限中の方はエネルギーが不足する可能性が高く、筋肉中のタンパク質がエネルギー源として使われることも少なくありません。
寝る前にbcaaを摂取して体内の栄養を補っておくことで、エネルギー不足を防ぐことができ、睡眠中に筋肉が分解されてしまうことを防ぐことができます。
成長ホルモンがbcaaの吸収を高める
寝る前にbcaaを摂取することで、寝ている間に多く分泌される成長ホルモンによってbcaaの吸収が高めることが可能です。
成長ホルモンは、日中よりも夜に分泌される量が圧倒的に多いです。
特に就寝している時間帯である22時〜2時の間に非常に多く分泌されます。
成長ホルモンには、bcaaの吸収を促す働きがあるため、成長ホルモンの分泌量が多くなる時間帯の前である「寝る前」にbcaaを摂取することで吸収が高まり、非常に効果的です。
就寝する30分~1時間前に摂取
寝る前にbcaaを摂取する場合は、就寝する30分~1時間前に摂取するようにしましょう。
就寝直前にbcaaを摂取すると、胃や腸に負担をかけることになり、胃痛や胃もたれを引き起こしかねません。
また、bcaaの吸収を促す成長ホルモン分泌のピークは就寝後30分~3時間後であり、さらに、bcaaを摂取してから体に吸収されるまでにも時間がかかります。
よって、就寝する時間から逆算して30分~1時間前に摂取することをおすすめします。
摂取量は用法用量を守るべき
bcaaの摂取量は、パッケージに記載の用法用量を守るべきです。
bcaaを過剰に摂取した場合、舌がしびれたり、吐き気がしたりなどの症状が現れる可能性があります。
また、腎臓や肝臓への負担も大きくなりかねません。
このように、より多くのbcaaの効果を得たいからといって過剰に摂取すると、むしろ体に悪い作用が及ぼされて体や健康に負担となってしまいます。
そのためbcaaを摂取する場合には、パッケージに記載の用法用量をよく確認し、その量を守るようにしましょう。
形状はパウダー状のものがおすすめ
bcaaはパウダー状のものがおすすめです。
パウダー状のbcaaは、水で流し込んで飲むため、多少の飲みづらさはありますが、タブレット状やゼリー状のものよりもbcaaの含有量が高く効果が得られやすいです。
またカプセル状のものも販売されていますが、アメリカのメーカーの商品である場合が多く、かなりサイズが大きいため、特に女性は避けた方が良いかもしれません。
寝る前はプロテインよりもbcaaがおすすめ
bcaaと同様にアミノ酸を多く摂取できる食品としてプロテインがありますが、寝る前に摂取するならばプロテインよりもbcaaがおすすめです。
なぜなら、bcaaはプロテインよりも圧倒的にカロリーが低いからです。
寝る前に多くのカロリーを摂取すると、寝ている間に分泌されるビーマルワンと呼ばれるタンパク質によって脂肪蓄積が促されて、太ってしまいかねません。
そのため、寝る前にアミノ酸を摂取するならばプロテインよりもbcaaを用いることをおすすめします。
クエン酸やグルタミンと一緒に摂取するとより効果的
bcaaだけでも、筋肉量の維持・増強や疲労回復、ダイエットへの効果は十分に得られます。
さらに効果をより高めたい場合にはクエン酸やグルタミン酸と一緒に摂取するのがおすすめです。
クエン酸は、運動することによって生成される乳酸と結びつき、アミノ酸となる性質があります。
また、グルタミンにはbcaaと同じように筋肉分解を抑える作用があります。
そのため、クエン酸とグルタミンをbcaaと一緒に摂取することで、より高い効果が得られることが期待できます。
まとめ
今回は、bcaaの寝る前の摂取について詳しくご説明してきました。
bcaaを寝る前に摂取することで、睡眠中の筋肉分解を防いだり、bcaaの吸収を高めたりすることができるため、トレーニング前後にしかbcaaを摂取したことがなかった方はぜひ、寝る前の摂取も試してみてください。
また、就寝する時間から逆算して30分~1時間前に摂取することや摂取量は用法容量を守ることも忘れずに、より高い効果が得られるように摂取することをおすすめします。
小川真美(栄養士)●文