管理栄養士が教える健康的な食事とは?苦労知らずで痩せる方法
この記事を開いてくれた人は「健康的な食事」と聞いて、少なからずドキッとしたひとではないでしょうか?
改善したいけどなかなかうまくいかない…忙しくて考える暇もない…でも年齢的にも肉体的にも食事を見直したい。
健康的な食事とはいいますが、一体どんなものを健康的な食事と指すのでしょうか?
少し見直すだけで健康診断の数値もグッとよくなる可能性が大です!
健康的な食事の為の「食生活指針」とは
健康的な食事、人々にとって望ましい食事をするための指針を「食生活指針」といい、農林水産省によって定められています。
この指針は専門的な知識が無くても誰でもわかりやすいです。
健康的な食生活を送るために定められているもので、意識するだけで食生活がかなり改善されます。
一度目を通してみて、ご自分が理想の食生活を実現できているか確認してみるものいいですよ。
またできていないと感じたら、頭に少しでも入れておくと気をつけようという意識が働きます。
健康的な食事とは?
バランスのいい食事の見本「食事バランスガイド」を活用しましょう
「食生活指針」でもある程度の「健康的な食事」を実現することができます。
「そのバランスはどれくらいだろう?」「どのくらいの量食べたらいいの?」と疑問に思う人もいると思います。
そんな人の為には「食事バランスガイド」という、何を、どれだけ食べたらいいのか。どんな組み合わせで食べたらいいのか。
をわかりやすくイラストで示したものが農林水産省のホームページで見ることができます。
これも非常にわかりやすく、専門家の知識が無くてもご自分の食生活に活用することができます。
是非「食生活指針」と「食事バランスガイド」を活用してみてはいかがでしょうか。
人に必要な5大栄養素
植物は太陽のエネルギーにより生きることができます。
しかし動物などは外界から摂取しなければ生きることができません。
ヒトは食物から生きるために必要な物質を取り入れています。
このことを「栄養」といい、この時に取り入れる物質のことを「栄養素」といいます。
「栄養素」には、
- 三大栄養素:たんぱく質・脂質・炭水化物
- 微量栄養素:ビタミン・ミネラル
の5種類が存在します。
研究の進化によりこの5種類の栄養素以外にも、栄養素と同じような働きをする物質が解明されてきています。
食物繊維、ポリフェノールやフラボノイドなど、さまざまな成分があります。
栄養素を考えた食事
栄養素はヒトにとって、
①エネルギーになる
②体を作る
③体の調子を整える
という生理作用をもたらします。
非常に重要な役割を担っているんです。
また、取り入れて不要になった物は排泄される仕組みになっています。
このような栄養素を考えた食事をすることで
①食事からエネルギーを摂る
↓
②体を作る
↓
③体の調子を整える
↓
④排泄
↓
①食事からエネルギーを摂る・・・
という仕組みが上手く働き、健康的な肉体を維持することができます。
たんぱく質・脂質・炭水化物などの三大栄養素の役割は
主に①エネルギー源となる。
②体を作る
ことに役立ちます。
、
またカロリーという言葉を聞いたことがあるかと思います。
カロリーは、三大栄養素がどのくらい含まれているかで決まってきます。
三大栄養素にはそれぞれ1gあたり脂質9kcal、たんぱく質4kcal、炭水化物4kcalのエネルギーが存在します。
そして、エネルギーを生み出すのはこの3つの栄養素しかありません。
そのためこれらが不足すれば生命を維持できなくなります。
またたんぱく質や脂質には細胞やホルモンを作るのに欠かせない物質です。
これらの不足により体が正常に働くわけがありませんよね。
ですからダイエットといって極端に制限するのも考え物です。
ビタミンやミネラルの微量栄養素は主に③の体の調子を整える作用があります。
エネルギーや栄養素の代謝、免疫や抗酸化作用に関わります。
不足すればせっかく摂った栄養素もうまく働かず、免疫力が低下し感染症にかかりやすくなったり疲労に繋がったり、体の機能が低下してしまいます。
これらの栄養素が過不足しないような食事をすることが理想的です。
といっても毎度毎度考えるのは難しいですよね。
少し意識するだけで、1食だけでも変えるだけで体に必要な栄養素を少しでも取り入れ、体質改善することはできます。
以下に紹介していきますので無理のない範囲でやっていきましょう。
健康的な食事をしていれば健康的に痩せられます
ヒトには適正体重があります。
体質だから、体型だから…とよくいいますが、まさしくこのことです。
BMIの計算で標準体型がありますよね。
この範囲って意外と広いと思いませんか?
自分で「私は太っている」と思っていても、標準体重内であることが多く、肥満とはされません。
BMIで標準体重であれば、標準体型なのです。
この標準体型内でやせ気味である人と、肥満に近い数字の人、どうしても同じ量食べて同じ量動いたとしても体型には差が出ます。
これが体質・体型というもので、もともとその人に備わっている個性です。
ホメオスタシスという、「体内恒常性」がヒトには備わっています。
ダイエットにおいてはその人にとって体重が減りすぎれば体重減少をストップさせ元に戻す働きがあります。
逆に体重が増えてくると多少食べすぎても体重増加をストップさせる役割があります。
空腹や満腹を無視して極端な食生活をすればそれ以上減ってしまうこともありますし、肥満以上の体型になることもあります。
ですから、健康的な食事、バランスのいい食事をしていれば自然と標準体重に収まるようにヒトの体はなっています。
モデル体型になりたい!なんて思っている人はダイエットにおいて少し工夫が必要かもしれません。
でも普通の生活をしていて健康的に痩せたいと思っている、今現在「肥満体型」の人は食事の見直しでダイエットができますよ。
ここでBMIの計算方法をご紹介しますね。
BMI=体重÷身長(m)÷身長(m)
※体重60kg・身長165㎝の人の計算方法は (60÷1.65÷1.65=22.0)です。
18.5未満をやせ、18.5~25未満を標準体重、25以上が肥満です。
「まごわやさしい」を取り入れよう
「まごわやさしい」という言葉をご存知ですか?
健康的な食生活を送るための、是非意識してほしい言葉なんですよ!
私自身、この言葉を聞いてその食品を頭に浮かべるだけでわくわくしてきます。
健康的で、美味しそう!是非取り入れたい。
いますぐこんな食生活をしたい!そんな気持ちにさせてくれます。
「まごわやさしい」にそれぞれ食品を当てはめていきます。
これを実行すれば簡単に健康的な食事の完成です!
ま…豆
豆類はタンパク質や糖質を中心として、脂質などもバランスよく含まれています。
大豆は畑の肉とも言われるほどタンパク質が豊富で、植物性たんぱく質を補うのにとても優れた食品です。
ミネラル類やビタミン類に優れ、中でもカリウム、リン、鉄、ビタミンではCやD以外のビタミンを含んでいます。
また小豆には抗酸化作用を持つサポニンが含まれ、利尿作用にも期待ができます。
えんどうやいんげん、そら豆など、他の豆類にもビタミン類やミネラル類が豊富です。
取り入れやすく栄養価が期待できるのは大豆です。
納豆や豆腐、油揚げ、厚揚げ、がんもどき、豆乳、おからなど、大豆には加工品も多くあり摂取しやすい食品ですね。
他の豆類にも栄養が豊富なので、大豆を中心として取り入れたいです。
ご…ごま (種実類:アーモンド、くるみ、落花生、栗、銀杏など)
ごまは抗酸化作用のあるセサミンが含まれています。
この成分は炒ることによって作用が向上するため、料理にもどんどん取り入れたいですね。
また鉄分やカルシウム、ビタミンEやB群が含まれます。
脂質が多いですが、ごまの脂質は不飽和脂肪酸であり体内の悪玉コレステロールを低下させる作用があります。
わ…わかめ(海藻類:昆布、のり、ひじき、もずくなど)
わかめといいますが、海藻類全般を指します。
海藻類はミネラル類やビタミン類が豊富です。
中でもヨードが多く含まれ、新陳代謝を高め美肌にも期待ができます。
水溶性食物繊維も多く含まれ、体内のコレステロール低下作用や便秘解消にも効果があります。
や…やさい
野菜が健康にいい、野菜を食べないと健康的な食事に結び付かない。
誰でも知っていることではないでしょうか。
野菜類を食べることによって各種ビタミン、ミネラル、また食物繊維を摂るためには欠かせません。
体の調子を整える為にも必ず取り入れたい食品です。
さ…さかな
魚は良質なタンパク源です。
また肉との違いは魚の脂は体に必要な必須脂肪酸で構成されています。
同じ脂質を摂るにしても、この脂肪酸は積極的に取り入れたい脂質です。
コレステロール低下作用や血栓症予防などの効果があり、さまざまな生活習慣病予防に期待ができます。
し…しいたけ(きのこ類)
しいたけをはじめとするきのこ類には食物繊維が豊富でビタミンDやB群を多く含みます。
食物繊維によるコレステロール低下作用、便秘解消に期待です。
またビタミンDはカルシウムの吸収を高める作用があり、骨の形成を助ける作用があります。
い…いも
いも類にはビタミンCが豊富です。
ビタミンCには抗酸化作用による細胞の老化防止と、皮膚や粘膜の健康維持も助けます。
そのため美肌のためにはいも類を摂取したいです。
調理によるビタミンCの紛失が少なく、取り入れやすい食品といえます。
「まごわやさしい」この7つの食品は是非毎日取り入れたい食品です。
これらを意識するだけで食生活が大きく改善できます。
どの食材も取り入れやすく、調理もしやすい、安価であるためちょっと意識してみてはいかがでしょうか。
管理栄養士が考案した簡単な献立メニュー
どの食事も主食・主菜・副菜を意識した献立にすることが、バランスのいい食事にするためには欠かせません。
- 主食・・・糖質にあたる部分の炭水化物
- 主菜・・・タンパク質や脂質にあたる部分の肉や魚、卵、大豆・大豆製品
- 副菜・・・ビタミンやミネラル、脂質やたんぱく質など
朝食
朝食にはあまり時間をかけられませんよね。
主食であるご飯やパン、主菜には卵料理や干物、納豆など簡単なものを。
副菜には野菜や海草、豆腐やいも類などを入れた味噌汁やスープなどの汁物を取り入れると簡単です。
そこに果物があればさらに栄養効果が期待できます。
もっと簡単にしたい場合や食欲がない場合はジューサーを使用してジュースを作ったり、ヨーグルトと果物など。
乳製品にはタンパク質や脂質がバランスよく含まれます。
果物も取り入れることによって糖質のエネルギーが補えるのでこちらもおすすめです。
昼食
昼食もあまり食べると午後の活動に支障が出るという人も多いと思います。
逆に沢山食べないと活動できないという人もいると思います。
一品料理で済ませる人が多いと思いますが、しっかり主食・主菜・副菜を意識して、肉類や魚介類、卵などが入っているか、野菜も入っているかメニューを考える必要があります。
食堂などでそれらが足りないと思う時は、小鉢で野菜の副菜をつけたり、温泉卵をトッピングするなど工夫しましょう。
おやつ
おやつには食事で不足しがちな栄養素を補うことが大切です。
種実類であるナッツや、ビタミンミネラルが豊富なドライフルーツ、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、干しいもや甘栗などもおすすめです。
タンパク質が少ないなと思ったら、ゆで卵なんかもおすすめですよ。
お菓子類はどうしてもヒトの舌が美味しいと感じるように作られています。
そのため食べすぎる傾向があり、余分な糖質や脂質を取りすぎる傾向になってしまう恐れがあります。
またお菓子に含まれる油脂類は酸化している場合があるため、体にとっていいとはいえません。
自然のものから取り入れるようにすれば食べすぎる心配も少なく、ローカロリーなおやつにすることができます。
夕食
夕食は用意するのに一番時間がかけられるのではないでしょうか。
是非主食・主菜・副菜を意識して、一汁三菜の食事にすることが理想的です。
朝・昼で摂取できなかったタンパク質食品(肉・魚・卵など)を主菜として、小鉢も野菜、いも類、きのこ類、海藻類で不足しているものを。
また豆類なども取り入れましょう。
汁物にも入れるチャンスはあります。味噌汁やスープで合わない食品はあまりありません。
足りない食品は汁物に入れてしまいましょう。
毎日食べるのに気をつけたいもの
毎日食べた方がいいものには、先程紹介した「まごわやさしい」を取り入れるとよいでしょう。
逆に気をつけたい食品もあります。
①トランス脂肪酸
マーガリンやショートニングに含まれる脂肪酸です。
この脂肪酸は代謝されにくく、エネルギーになりにくいのです。
体内で最も良くない影響を及ぼす脂肪酸といわれており、さまざまな生活習慣病の引き金になりかねません。
海外では表示義務や含有量に基準が設けられているところもあります。
日本では摂取のし過ぎは問題にはなっていませんが、やはり毎日大量に摂取するのは感心できません。
市販のケーキやパン、お菓子類などにも含まれていますので、気をつけたい食品です。
②食品添加物
- 人工甘味料…ローカロリーやカロリーゼロといわれている甘味料で、ドリンクやゼリーなどにも使用されています。
- 発色剤…ハムやサラミ、ソーセージなどに使用されている添加物で、肉をピンクの綺麗な色に保つ働きがあります。
- 着色料…さまざまな食品に使用されていて、鮮やかな赤色や青、黄など、食品表示をみてみると大抵のものに使用されているのがわかります。
白いれんこんや、長芋など、表示を見てみましょう。
これらの食品添加物には、発がん性や神経障害を引き起こす危険性が潜んでいます。
そんな毒物が世に出回っているの?と不思議ですよね。
出回っている食品は安全基準をクリアしており食べても大丈夫とされています。
しかし、なるべくこれらのリスクは避けたいですよね。
絶対食べないというのは、普通に生活していればほぼ不可能に近いです。
そのため、避けられる時は避ける、その心がけで摂取量を減らすことができます。
③お総菜
スーパーやコンビニに売っているお総菜は保存料が使われています。
先程紹介した食品添加物の一種です。
自炊できるときはなるべく自炊を心掛けたいですね。
④外食
外食は何が使われているかわかりません。
商売ですから、美味しくするために、なるべく時間がかからないように健康食など度外視して作られていることが多いでしょう。
毎日食べるとそれだけ添加物や体に悪い油、また塩分など過剰に摂取してしまう恐れがあります。
忙しい現代社会です。完全に避けるとか、完全に自炊にするなんて不可能ですよね。
お菓子が食べたい時、外食がしたい時もあります。
「食べない」ではなく、なるべく減らすように心がけるだけでも十分です。
外食ばかりでも健康になれる食事法
先程外食は毎日食べるのは気をつけたいとご紹介しました。
理由は何が使われているかわからないからです。
添加物や酸化した油などは体にとって良い影響はありません。
しかし忙しくどうしても外食ばかりになってしまう…そんな人はどんな食事を選べばいいのでしょうか。
気をつけたい飲食店
①ファストフード
ファストフードの食事はトランス脂肪酸が多く含まれている可能性が大です。
また、食品添加物も多く、どんなものを注文してもどうしても脂肪の摂取割合が多くなってしまいます。
ビタミンやミネラルなどの栄養素も期待できません。
美味しいし、手軽なので食べたくなりますよね。
たまにならいいですが、そこばかりになるのは避けたいです。
②チェーン店
チェーン店も食品添加物が多く使用されている可能性があります。
効率重視ですから出来合いのものも多く使用し、酸化した油やトランス脂肪酸が多いということも否定できません。
どういう飲食店を選ぶ?
だったら個人の飲食店がいいのでは?と思われるかもしれませんが、それも考え物です。
お店に清潔感があれば細部まで気を使っているお店かもしれません。
また、厨房の中がよく見える飲食店も信用があります。
外食でも一汁三菜・「まごわやさしい」を忘れずに!
外食であっても主食・主菜・副菜の揃ったメニューを意識しましょう。
主菜であるタンパク質が足りないなと思ったら卵をトッピングしてみたり、小鉢で野菜のものをつけるなど工夫が必要です。
「まごわやさしい」を意識して、注文するのもおすすめです。
野菜のメニューがたくさんあるお店や、定食屋を選ぶといいですね。
それぞれのライフスタイルに沿った食事法の紹介
乳幼児
乳幼児でも一汁三菜を基本にしましょう。
「まごわやさしい」を取り入れるのも手です。
離乳食に移行したら、これを基本にして献立を組み立てます。
また、エネルギーの消耗が激しいため「おやつ」を適度に食べることも必要になってきます。
おやつはなるべく手づくりで、安心できるものを。
果物や野菜を使ったものが栄養素の補給にもなるしおすすめです。
あまり味の濃いものは与えず乳幼児でもOKなものを購入するといいです。
またこの時期に色々なものを食べておくことで味をおぼえ、好き嫌いを減らすことができます。
なるべく色々な食品を食べるようにしましょう。
学童期
小学校の6年間の期間を指します。
やはり一汁三菜を基本として献立を立てる必要があります。
お菓子やファストフード、ハンバーグやオムライス、フライなどの洋食を好む時期です。
それだけに偏らないような食生活をしましょう。
食生活において食事の大切さを学ばせるためにも大事な時期になるため、良い食習慣が形成できるような食生活を送ることが大切になってきます。
また学校や遊びなどでも、多くのエネルギーを消費します。
間食で補うようにしましょう。
その時にも足りない栄養素を中心になるべく手づくりのものを。子供と一緒に作ってみるのもいいでしょう。
骨の形成に重要な時期です。カルシウムを意識した食品を摂るようにしましょう。
思春期(11~15歳)
この時期は朝食を抜いたり、女子ならダイエットを意識して偏った食事になりがちです。
しかし成長が著しいため食事を疎かにすることは望ましくありません。
また、夜更かしや友達同士での外食や買い食いなど、そのために3食をきちんと摂れなくなることは避けたいです。
カルシウムや、女子なら鉄が不足しがちです。
それらの栄養素を意識して、食事をすることが望ましいでしょう。
青年期
給食などもなくなり、自分で食事を選択する機会も増えてくる時期です。
エネルギーも最も多く必要とする時期です。
ダイエットなどで欠食や偏った食事をすると将来骨粗鬆症や貧血、女子なら生理不順など、さまざまなトラブルにつながりやすい大切な時期なので、しっかりと食事をとることが必要です。
この時期でも鉄が不足しがちになります。鉄を意識した食事にしましょう。
成人期
体が完成しているため、青年期よりも必要エネルギーが落ちてきます。
今まで紹介してきた食事法を参考にしましょう。
高齢期
成人期よりは摂取エネルギーは少な目になります。
食欲の低下を避ける為に、間食を抑えるなどの工夫が必要になってきます。
また個人の咀嚼機能や消化機能に配慮し、柔らかくしたり消化の良いものを選んだりする必要性もあります。
食事をおろそかにしているとどんどん食欲が低下していってしまう場合もあります。
工夫して食べられるものをきちんと食べるようにしたいです。
妊娠期
妊娠すると体重増加に気を付けるように言われます。
しかし、胎児に必要な栄養素を送るため、また妊婦自身も健康状態を維持しなければいけないため食事を控えすぎるのも好ましくありません。
普通体重の人なら妊娠期で7~12kgの増加が望ましいとされています。
これを基準として、体重が増加しすぎないように栄養素をしっかり摂取していきましょう。
妊娠後期には妊娠高血圧症候群になりやすく、またむくみやすい時期です。
そのため塩分に注意する必要があります。
主食をしっかりとって、鉄やカルシウムを意識した食生活をすることが望ましいでしょう。
独身・男性の方必見!忙しくても理想的な食生活方法とは?
それは実際に働きざかりのサラリーマンのAさんの場合を見ていきましょう。
Aさん
・男性
・38歳
・サラリーマン:忙しいので、週に4回は外食で済ませている
Aさんの健康診断の数値が悪かったところは
- 高血圧
- 総コレステロールが高い
- 中性脂肪が高い
- 肝機能が基準値以上
でした。
高血圧を下げましょう。
高血圧の人は塩分の少ないメニューを選ぶのが基本です。
麺類などのスープは3g以上の塩分が含まれています。
全部飲んでしまうとかなり塩分過剰になってしまいます。
半分残すだけでも1.5~2gほど塩分摂取量を控えることができます。
一日の食塩摂取量の目標量は、男性9g未満 女性7.5g未満 です。
これを3食にすると一食当たり3g未満に抑えないといけません。
麺だけでも1gを超えていますので、スープを全て飲んでしまうと1日の塩分摂取量の半分を超えてしまう可能性があります。
コレステロール値を減らしましょう
肉に含まれている脂は飽和脂肪酸で、悪玉コレステロールの増加や血中の脂質増加につながります。
総コレステロール値や中性脂肪が高くなっていることから、影響が出てしまっていますね。
このままいくと脂質異常症や動脈硬化などになりかねません。
脂の多い肉の摂取量は考えなければなりません。なるべく赤身などを選ぶようにしましょう。
また、1日のタンパク質摂取量は体重×1gです。
60kgの男性であれば60gとなります。
もちろんここに年齢や活動量などで数値は変わってきますが、基本的にはこのような考え方でよいでしょう。
お肉100gあたり約20g前後のタンパク質が含まれています。
Aさんの場合、焼肉300gのお肉で、タンパク質が約60g含まれていることになり、1日の摂取量を満たしてしまっています。これでは多いですよね。
余ったタンパク質は脂肪になったり、肝臓や腎臓に負担をかけてしまうのでせいぜい100g前後に留めたいです。
野菜にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、また食物繊維も含まれます。
これらの栄養素は
- 摂取した食べ物をエネルギーに変える
- 血管などの健康を保つ
- 血圧低下作用
- 善玉コレステロールの増加
- 脂肪をエネルギーにする
など、生活習慣病予防に欠かせません。
もし一人暮らしでご飯を炊く時間もないなら、コンビニでパック開けるだけのご飯を買いましょう。
お総菜でもサラダやお浸し、枝豆や酢の物など。あとは焼き魚やサラダチキンなども高たんぱく低カロリーでおすすめです。
肝機能を改善しよう
飲酒の適正量はアルコール加算で20g程度です。
ビールなら中ジョッキ1杯、日本酒1合、ワイングラス2杯、ウィスキーダブル1杯ほどです。
意外と少ないですよね。それだけアルコールがいかに生活習慣病に影響しやすいかがわかります。
まとめ
健康的な食事とは、日々の食生活を少し見直すだけでも効果的に改善できます。
今は大丈夫と思っていても将来生活習慣病になってしまっては手遅れになってしまうことも否定できません。
健康診断などで指摘されてしまう前に、食生活を改善してみてはいかがですか?
またすでに数値が悪い人も諦めずに意識してみましょう。
必ず結果はついてきます!元気に健康的な毎日を過ごすためにも大切な食事、是非見直してみてください!
藤井ゆき菜●文(管理栄養士)