妊娠初期の葉酸はいつからいつまで?摂取時期・方法・量まとめ

妊娠初期に重要な栄養素と言えば葉酸です。妊娠が分かったら、積極的に摂っていく必要があると言われていますが、実は妊活中から日常的に摂取することが推奨されています。

では、具体的にいつからいつまで摂り続ければ良いのでしょうか。また摂る量はどのくらいが最適なのでしょうか。

こちらでは、特に妊活中~妊娠初期の妊婦さんのために、葉酸についての気になるポイントを4つに分け説明していきます。

1.妊活中〜妊娠初期に葉酸を摂り始める時期はいつから?

妊婦さん

妊娠初期に葉酸を摂るべき理由は、お腹の赤ちゃんにあります。

葉酸には、赤血球を作り出す働きと、DNA合成に関与し、お腹の中の赤ちゃんの発育を助ける働きがあります。

特に、受精直後から妊娠3カ月までは、赤ちゃんの脳、脊髄が作られていく時期です。

この時期に、葉酸が不足すると、赤ちゃんに酸素や栄養素を運ぶ赤血球が少なくなります。

また、DNAが合成できないため、赤ちゃんの臓器や器官を上手く作ることができません。

つまり、妊娠超初期から初期の葉酸の不足は、赤ちゃんの脳や脊髄の奇形(無脳症、二分脊椎)を引き起こしてしまう危険性があるのです。

ところで、皆さんは、いつ頃、妊娠したことに気付きましたか?

生理が予定日になっても来ない!ということで、妊娠に気づいた方が多いのではないでしょうか?

最後の生理初日を妊娠0日として、妊娠週数は数えますよね。

ですので、だいたい妊娠5週頃に気づく人が多いかと思います。

ですが、赤ちゃんの発育は、受精卵が子宮に着床した瞬間から始まっています。

生理初日から、だいたい2週で排卵が起こります。

排卵、受精し、受精卵が子宮に着床するまで1週間かかります。

つまり、妊娠3週頃から、赤ちゃんの脳や脊髄は作られ始めているのです。

ママが妊娠に気づくかないうちに、赤ちゃんの発育は始まっている。

だから、妊活中から葉酸を摂取することが推奨されているのです。

2.産後まで?葉酸はいつまで摂るべきなの?

摂り始める時期は妊娠に気づいた時からではなく、妊活中からの方が良いことが、お分かりいただけたと思います。

では、葉酸はいつまで摂り続けるべきなのでしょうか?

文献によって多少のバラツキはありますが、だいたい、妊娠3ヶ月(12周目)頃までと言われています。

厚生労働省も、妊娠3カ月までを葉酸の積極的な摂取時期としています。

ですので、この時期までは意識して、葉酸を摂り入れていきましょう。

ただ、葉酸には重要な役目がもう1つあります。

葉酸摂取によって流産を予防する効果が期待できる?!

それは、流産を防いでくれる働きが期待できるということです。そこには「ホモシステイン」という物質が関係してきます。

ホモシステインは、必須アミノ酸の1つであるメチオニンが代謝される過程で出来ます。

ホモシステインが増えると、血管が狭く硬くなる動脈硬化が起こったり、血栓ができやすくなります。

動脈硬化によって、血液の流れが悪くなったり、血栓で血管が詰まったりすると、赤ちゃんに十分な酸素や栄養素が届かず、流産の危険性が高くなります。

葉酸は流産の危険性を高めるホモシステインを分解してくれる働きがあります。

この点から考えると、葉酸は安定期を過ぎるまでは摂取しておくべきだと言えます。

また、継続して産後も葉酸摂取を推す声もあります。引き続き葉酸サプリなどで補給しておくのも悪くないと言えます。

3.妊娠初期の葉酸の摂取量の目安とは?

葉酸たっぷりほうれん草の胡麻和え

まず妊娠していない成人女性の1日の葉酸の推奨量目安は、大体240μg(マイクログラム)です。

これは年齢関係なく、全ての成人女性に当てはまります。

でも妊婦さんはこれでは足りません。この量の2倍、480μgが必要になります。

最低でも400μgは摂っていたほうがいいでしょう。

実際に食品に変えてみると、推奨量分ならほうれん草1束分、アスパラガスなら16本も必要になってしまいます。

毎日これだけ摂るのは大変なことですが、赤ちゃんの為と思って、頑張って摂っていきたいですね。

ただ、妊娠初期に葉酸が必要だからって、沢山摂ればいいというワケではありません。

葉酸は、ビタミンB群の1種です。

ビタミンB群は、一度に大量に摂取しても、不要な分は体の外に排泄されてしまい、意味がありません。

また、1日1000μg以上摂取すると、蕁麻疹などのアレルギー反応が出たり、お腹の赤ちゃんが小児喘息を発症してしまうリスクが高くなります。

葉酸は、こまめに毎日、適量を摂取する必要がある栄養素です。

4.葉酸の上手な摂り方とは?

最後は、この葉酸の摂り方についてです。野菜が好きな方は特に問題ないのですが、そこにほうれん草やアスパラなどをプラスしてみてください。

もっと多く摂ることができます。でも正直、毎日だと飽きてしまいますよね。

葉酸は、熱に弱く、水に溶けやすい栄養素です。

水に浸したり、加熱調理すると、食品中の葉酸は60%も減少してしまいます。

食品中に含まれている葉酸をできるだけ多く摂取するためには、

  • 水洗いは10分以内にする。
  • 長時間煮込むと、葉酸が壊れてしまうので、蒸し料理にする。

この2つのポイントを押さえて、調理することが重要となります。

野菜をスープに入れる方は多いですが、その時はスープも全部飲み干しましょう。

ただ、長時間煮込むと、葉酸が熱によって壊れてしまうので、短時間で火が通るように細かく刻むなどの工夫が必要です。

一方で野菜が苦手な方、食欲が落ちている方は栄養がたっぷり入ったサプリメントがおすすめです。

葉酸サプリメントは色々なメーカーのものがありますが、それぞれ摂取量を守って飲んでください。

あとはこの栄養が入ったキャンディー、ノンカフェインのお茶、お菓子なんかもあります。

どれも葉酸の含有量をチェックしてから摂るようにしましょう。

葉酸を摂取しないと、どうなる?

びっくりする女性

葉酸は、赤ちゃんが元気に生まれてくるために必要な栄養素です。

ですが、葉酸が特に必要な妊娠超初期から初期の時期を過ぎてしまってから、葉酸の必要性を知ってしまった方もおられるのではないでしょうか?

葉酸を摂取しなかった。どうしようと、不安になっておられることと思います。

確かに、葉酸を摂取した人と摂取しなかった人を比較すると、摂取しなかった人の方が赤ちゃんの発育不全や奇形、流産の発生頻度が高くなります。

ですが、葉酸を摂取しなかったから、必ず、赤ちゃんに奇形が起こるとか、流産するというわけではありません。

妊婦検診で、お腹の赤ちゃんの異常を主治医の先生から告げられましたか?

告げられていないのであれば、大丈夫です。

今から葉酸を摂取しても、まだ間に合います。

過ぎた過去を悔いるのではなく、これから迎える未来への準備をしていきましょう。

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