妊娠中のおススメの運動で安産を!ストレッチ・ウォーキングなど教えます。
妊娠中は、体調や身体の変化も著しく、運動をするのは難しいのでは・・・と思っている方も多いでしょう。
特に妊娠初期は、運動が原因で流産してしまうのでは・・・と心配する方もいるかもしれません。
妊娠中の適切な運動は、体重増加を抑制、病気などの予防、出産への体力づくりなどのメリットも多くあります。
ただし、避けた方が良い運動などもあるので、この記事では、妊娠中おすすめの運動やメリット、避けた方が良い運動、注意点などを紹介していきます。
いつから~いつまでが運動をしても大丈夫?
妊娠中の運動は、つわりが終わってからの妊娠4ヵ月以降からがおすすめです。
体調が良いとき、軽い運動であれば初期~後期まで行うことも可能です。
ただし、合併症などがあるとき、体調が優れないとき、お腹が張っているときなどは、運動を避けるようにし、安静にすることが重要です。
運動によっては、避けた方が良いものもあるので、後程詳しく紹介します。
妊娠超初期や妊娠初期のまだ妊娠に気付いてない頃に、運動をしてしまった・・・という方もいるのではないでしょうか?
妊娠超初期や妊娠初期の運動は、直接トラブルになることはほとんどないので、心配しすぎなくても良いでしょう。
妊娠12週未満の早い時期での流産が8割以上で、原因として最も多いのが赤ちゃん自体の染色体等の異常です。
この場合、受精の瞬間に流産の運命が決まることがほとんどになるので、お母さんの妊娠初期の仕事や運動などが原因で流産することはほとんどないと言っても良いでしょう。
出典:日本産婦人科学会
と示されています。
体調が良ければ、適度な運動や仕事も良いでしょう。
ただし妊娠初期は、体調が優れないことも多いので、無理をしないようにしましょう。
また運動や仕事などで心配なことがあれば、自己判断をせず、医師に相談しましょう。
妊娠後期になってくると、お腹が出てきて、運動や仕事もスムーズにいかないことも多いでしょう。
そこで、妊娠後期にも良いおすすめの運動や控えた方が良い運動についても紹介していきますので、最後までぜひご覧ください。
妊婦さんが運動するときの注意点
妊婦さんが運動するときの注意点もいくつかあるので、紹介します。
転ばないような場所を選びましょう
妊娠中期以降は、お腹がどんどん大きくなり、足元が見えにくくなり、転倒するリスクが上昇します。
些細な段差でもつまずいて転倒してしまうこともあるので、平坦な場所を選びましょう。
骨盤ベルトなどを着用するのも効果的でしょう。腰痛を緩和、姿勢を整える効果も期待できるでしょう。
暑さ・脱水症状に注意しましょう
暑い日の運動は、体温上昇・酸欠・脱水症状・めまいなどを引き起こす危険があるので、避けましょう。
夏に運動する場合は、朝方や夕方にしましょう。
また、水分補給や休息はこまめに行いましょう。
長時間はNG!60分以内にしましょう
長時間の運動は、子宮収縮が起こることもあるので避けましょう。
妊娠前から定期的に運動をしていた方は、60分以内が望ましいでしょう。
運動にあまり慣れていない方は15分程度から始めると良いでしょう。
楽な服装とスニーカーで行う
運動を行う際は、ウエストを締め付けず、動きやすい服装にしましょう。
靴は、履きなれたスニーカーが望ましいです。
ヒールやサンダルは転倒の原因になるので、避けましょう。
母子健康手帳を携帯しましょう
運動中や出掛け先でトラブルが起きた時に備えて、母子健康手帳と保険証を携帯しましょう。
妊娠中は、いつ何があるか分からないので、トラブルへの備えは大切です。
これらのことに注意して、安全に楽しく運動を行いましょう。
妊娠超初期・妊娠初期におすすめの運動
妊娠超初期(4週以前)や妊娠初期(4~15週)の運動は、軽いものにしましょう。
妊娠前にあまり運動をしていなかったという方は、この時期は無理して運動をする必要はありません。
いきなり様々な運動をすると危険なこともあります。
妊娠前から継続的に運動をしている方は、自分の体調と相談しながら軽い運動を続けていくと良いでしょう。
腹式呼吸
分娩時にも重要になってくる呼吸法、腹式呼吸をマスターしておきましょう。
腹式呼吸は、深い呼吸ができるので、出産の時にも痛みを上手に逃せる、赤ちゃんが通りやすくなる、体力の消耗も抑えられるなどメリットが多くあります。
さらに、腹式呼吸をマスターすることで、代謝もUPし、やせ体質にもつながります。
では、やり方を紹介します。
1.背筋を伸ばし、鼻からゆっくり息を吸い込みます。このときに、お腹をふくらませます。
2.口からゆっくり息を吐いていきます。お腹をへこまします。
ポイント①お腹に手を当てながら行い、ふくらんでいる・へこんでいることを確認する
ポイント②息を吐くときは、吸うときの倍くらいの時間をかける。
ポイント③息を吸い込むときは、良い景色の良い空気を吸い込むイメージ、息を吐くときはイライラや不安などを吐き出すイメージで行うと効果倍増です!
ストレッチ
ストレッチは、つわりの症状を軽減する効果もあると言われています。
体調の安定しているときに好きな音楽を聴いたり、TVを見ながら実践すると心も体もリフレッシュできるでしょう。
妊娠初期におすすめ!首と肩のストレッチ
1.あぐらを組み、首をゆっくり前後左右に倒し、ゆっくり1周させます。
2.肩を持ち、肩甲骨を意識して、そのままゆっくり5回程度回します。
3.反対にも5回程度回します。
妊娠中は、肩こりや首の凝りも出てくることが多いので、このストレッチで改善させましょう。
妊娠初期におすすめ!足のストレッチ
1・両足をそろえて伸ばし、両手はお尻の後ろにつきます。
2.ゆっくり息を吸いながら、両足首を身体の方へ引き寄せるイメージで、息を吐きながらつま先を伸ばします。
膝やふくらはぎなど、足のトラブルに効果的です。
ウォーキング
ウォーキングは、動きやすい服と履きなれた靴があれば、手軽に取り組むことが出来ます。
初期~臨月まで続けたい運動のひとつです。
自分のペースで、休憩を適宜入れながら行えるのも良い点です。
外の景色を楽しむことが出来るので、気分転換やストレス発散になるでしょう。
ジョギングのように息の上がるペースは避けましょう。
ウォーキングは、正しい姿勢で行うことが重要です。
ポイント①ウォーキング前に軽くストレッチや体操をする
ポイント②姿勢は、背筋を伸ばして、あごを引き、遠くをみつめるイメージ。
ポイント③脇を締め、腕を大きく振って歩く。
ポイント④つま先で蹴り上げ、かかとで着地のイメージ。
お腹が大きくなってくると顎が前に出る、足がガニ股になってしまうこともあるので、このポイントを抑え、姿勢良く行いましょう。
妊娠中期におすすめの運動
妊娠中期(16~27週)は、安定期とも呼ばれ、つわりなどが軽減する方が多くなるので、運動をするのは特におすすめの時期です。
ただし、まだつわりの続く方や体調が優れない方は、無理はしないようにしましょう。
ストレッチ
妊娠中期におすすめ!猫のポーズで腰痛予防
1.
四つん這いになり、息を吐きながら、おへそを見るように背中を丸めます。
2.ゆっくり呼吸をしながら、背中を少しそらせます。
3.この動作を3回程度繰り返します。
自宅で簡単にでき、腰痛対策に効果的です。
妊娠中期におすすめ!腰回しストレッチ
1.足を肩幅に広げて立ちます。
2.肩の力を抜いて、腰に両手を当て、腰を回します。
3.左右各5回程度行います。
骨盤は正面に固定させたまま、腹式呼吸を行いながらやりましょう。
産道のひとつの仙骨のストレッチになるので、出産をスムーズにするためにも効果的です。
マタニティスイミング
水の中は、浮力があるので、身体の重たさを気にせずにお腹への負担もなく運動が出来ます。
一般のプールだと混雑時にお腹を蹴られるなどのトラブルの危険もあるので、マタニティスイミングなど、妊婦さん専用のレッスンを活用するのがおすすめです。
ただし、水の中は身体が冷えてしまう場合もあるので、注意が必要です。
また、マタニティスイミングを始めたいと思った際には、医師に確認してから行いましょう。
妊娠後期におすすめの運動
妊娠後期(28~39週)は、お腹が大きくなってきて運動が億劫に感じる方も多いでしょう。
妊娠後期は、体重が増えやすい時期なので、体重管理のためにも軽い運動を取り入れてみるのがおすすめです。
臨月に入れば、どんどん運動をしましょうと医師から指導されることもあります。
ただし、お腹が張りやすい方は、無理な運動はしないように注意してください。
ストレッチ
☆妊娠後期におすすめ!股関節のストレッチ
1.足の裏を合わせて、あぐらを組みます。
2.手で足首付近をつかみ、背筋を伸ばし、ゆっくり腹式呼吸を数回行います。
3.1の状態に戻り、手で両膝を床に近づけます。
股関節を伸ばしておくことで、お産がスムーズに進む場合も多いです。
あぐらの姿勢は、骨盤を広げるのにも効果的です。
また、軽いスクワットも骨盤を広がりやすくするため、おすすめです。
赤ちゃんが下がってきやすくなり、スムーズな分娩につながるでしょう。
マタニティヨガ
マタニティヨガは、近年人気を集めています。
ヨガは、ゆったりとした気持ちで深く呼吸をし、リラックスしながらポーズをとるので、自分の身体に意識を集中することができます。
分娩時も深く呼吸をして、余計な力が入らないようにすることはとても重要なことです。
これがスムーズに出来ると、赤ちゃんにもしっかり酸素を送ってあげることが出来ます。
マタニティヨガは、専門の教室などを利用すると妊婦さんと話したりすることもできるので、楽しいでしょう。
また本屋さんに行けば、DVD付きの書籍も販売されており、とても分かりやすく、家で気軽にヨガをすることが出来ます。
出産後の子育て中にも続けられるので良いですね。
妊娠中は避けた方が良い運動
妊娠中は、避けた方が良い運動もあるので、注意しましょう。
また、腹筋は良いのかな・・・と悩む方も多いでしょう。
腹筋を鍛えておくと分娩時の呼吸が上手く出来るなどのメリットもあるので、ゆっくり少しずつなら腹筋運動も可能です。
お腹の張っている時や体調の優れないときは厳禁です。
接触の多い運動
バスケットボールやバレーボールなどの団体で行うスポーツは、接触の危険があるので、控えることをおすすめします。
妊娠中は、自分のペースで出来る運動を選ぶようにしましょう。
転倒の恐れがある運動
スキーやスノーボードなどが転倒の危険のあるスポーツです。
お腹が大きくなってくると、バランスが取りにくく転倒のリスクも上がってしまうので、注意しましょう。
また、自転車も避けた方が良いでしょう。
お腹が大きくなるとバランスが取りにくくなり転倒につながったり、振動によりお腹を圧迫してしまい流産の原因になるケースもあります。
腰をひねる運動
ゴルフやテニスなど勢い良く腰をひねる運動は、お腹へ負担がかかるので、控えるようにしましょう。
また、重たいものを持ち上げる時なども瞬間的にお腹に力が入ってしまうため、避けるようにしましょう。
強度の高い運動(心拍数の上がるもの)
心拍数が上がる強度の運動は、身体への負担が大きいので避けましょう。
運動をする際は、心拍数140/分を超えないようにしましょう。
あおむけでの運動
お腹が大きくなってきたら、仰臥位(あおむけ)のストレッチなどは避けるようにしましょう。
赤ちゃんの重みで、血液のめぐりが悪くなってしまうことがあります。
またお腹が大きくなり仰向けで寝ていると、血管を圧迫し、血流が減少してしまい、血圧低下、呼吸困難、吐き気などの症状があらわれることもあります。
仰向けで寝ても楽という方は、問題ありませんが、苦しいという方は自分が楽な寝方を見つけるようにしましょう。
妊娠中の運動のメリット
妊娠中は、お腹が大きくなるにつれて、身体を動かすことが億劫になりがちですが、適度な運動には様々なメリットがあり、安産にもつながります。
家で何もしない時間が多いと、気分も落ち込んでしまったり、つい間食を取り過ぎてしまうこともあるので、気分転換に運動をしてみませんか?
では、妊娠中のメリットについて5つ紹介したいと思います。
むくみの解消などに効果的
適度な運動を行うことで、血行が良くなるので、老廃物などが排泄しやすくなり、むくみの解消にも効果的です。
長時間同じ姿勢でいるのもむくみを促進させてしまうので、ストレッチなどを取り入れ、身体を動かすと良いでしょう。
ストレス軽減
つわりがおさまらない・・・という方にも軽い運動はおすすめです。
つわりは、精神的なものが原因で悪化してしまうケースもあります。
軽い運動は気分転換になり、ストレス軽減にもつながります。
体力づくり
出産は、どのくらいの時間を要するのか個人差が大きいです。
陣痛が始まり、数時間で産まれる方も居れば、3日以上かかる方も居ます。
そのため、出産に備えて体力・筋力をつけることはとても重要なことです。
体重管理がスムーズになる
体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の原因となったり、産道に脂肪がつき難産の原因につながることもあります。
適度な運動を行うことで、体重管理・健康管理にも効果的です。
ただし体重を減らそうと、極端に食事制限をしてしまうと、お母さんもお腹の赤ちゃんも栄養不足になる恐れがあるので、体重管理には栄養バランスと適度な運動が大切になってきます。
便秘の解消
妊娠中は、便秘に悩まされる方も多いでしょう。
適度な運動をすることで、腸の動きも促され、便秘の改善に役立ちます。
食物繊維や水分を多く摂取することも併せて行うと、さらに効果が期待できるでしょう。
合併症などがある場合は、医師に相談しましょう。
医師の診断で、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など合併症があると診断された場合は、自己判断で運動をするのはやめましょう。
必ず、医師と相談をして、運動や栄養管理を進めていきましょう。
妊娠高血圧症候群ではないが注意が必要と言われた方は、無理のない範囲で仕事や日常生活をし、規則正しい生活を送りましょう。
ストレッチなどの軽い運動をする、塩分の摂り過ぎに気を付ける、ビタミン・ミネラルなども積極的に摂るなどを気を付けると良いでしょう。
ウォーキングや水泳・水中ウォーキングもおすすめですが、医師の許可を取ってから行いましょう。
適度な運動で安産をめざしましましょう。
妊娠中の運動は、お母さんとお腹の赤ちゃんの両方にメリットが多くあります。
適度な運動によって、陣痛や分娩時の身体面・精神面への備えになるでしょう。
妊娠中の運動は、自分の体調が良い時に取り入れていくのがベストです。
体調があまり良くないときやお腹が張るときにまで無理して運動をする必要はありません。
また、妊娠中も仕事を続けている方は、お腹の中の赤ちゃんのためにも無理することのないようにしましょう。
体調が良いからといっても妊娠中は疲れやすいものです。
仕事は、あなたが抜けてもなんとかなると思いますが、お腹の中の赤ちゃんにはあなたしか居ません。
お腹の中の赤ちゃんと自身の体調を最優先にし、適度な運動とバランスの良い食事で、出産に臨みましょう。