運動は、認知症予防に効果的!と言います。
でも、どんな運動を1日にどれくらい行えば良いか知っていますか?
この記事では、認知症予防に効果的な運動の仕方と効果について説明しています。
また、自宅で手軽に行うことができる予防体操も紹介しています。
認知症予防に効果的な運動とは?
運動が認知症予防に効果的と言われていますが、一体、どんな運動をどの程度行うのか良いのでしょうか?
認知症予防に効果的な運動について、その効果と具体的なやり方を説明していきます。
運動の認知症予防効果について
運動とくにウオーキングやジョギングなどの有酸素運動は認知症予防に効果的と言われています。
週に3日以上1日30分以上運動する人は、認知症の発症率が32%も低下するという研究報告があります。
さらには、運動を行うことにより、記憶を司る海馬の細胞がよみがえったとする研究報告まであります。
では、いったいなぜ、運動が認知症予防に効果的なのでしょうか?
1:運動すると脳に大量の酸素が届く
運動を行うことによって大量の酸素が体内に取り入れられます。
体内に取り入れられた酸素は血液によって全身に運ばれます。
勿論、脳にも酸素を大量に含んだ血液が流れてきます。
酸素は、細胞にとってのエネルギー源です。
大量の酸素を受け取った脳細胞は活発に働き始めます。
とくに記憶を司る海馬は、酸素不足に弱いです。
ですので、血液によって運ばれてくる酸素が少ないと海馬の働きが悪くなってしまいます。
記憶を司る脳の重要器官。
ストレスや酸素不足に弱い。
アルツハイマー病では初期から侵される。
2:運動すると脳の前頭葉が刺激される
脳の大部分を占める大脳は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉の4つの部位に分かれています。
前頭葉は、さらに、前頭前野と運動野に分かれています。
前頭前野は、思考力や集中力、言葉の発語や計画的な行動などを司っている脳の司令塔です。
運動野は、体を動かす司令を出します。
散歩をするにも、ジョギングするにも、何も考えずに散歩したり、ジョギングしたりする人は、いませんよね。
今日は、どこを散歩しようか?とか今日は天気が良くて、走ると気持ちいいなあ!とか何かしら考えながら散歩したり、ジョギングしたりしますよね。
つまり、運動を行うと、前頭葉の運動野が刺激されるのは勿論、前頭前野も刺激されます。
加えて、運動すると、外の空気を吸い、気持ちいい!と感じますよね。
この気持ちいい!という快楽感情は、脳の扁桃体と呼ばれる部分の働きを高め、海馬を刺激してくれます。
3:運動は、生活習慣病を予防する
高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病があると、動脈硬化が起こりやすくなります。
動脈硬化は、脳の血管が破れる脳出血や詰まる脳梗塞を起こします。
脳出血や脳梗塞を起こすと、後遺症として認知症(脳出血性認知症)が起こります。
高血圧があると、脳血管性認知症を3倍~10倍発症しやすくなります。
糖尿病があると、アルツハイマー病を2倍、脳血管性認知症を3倍発症しやすくなります。
軽度高血圧:2.4倍~3倍
(拡張期血圧が120~139mmHgまたは収縮期血圧が80~89mmHg)
中程度高血圧:4.5倍~6倍
(拡張期血圧が140~159mmHgまたは収縮期血圧が90~99mmHg)
高度高血圧:5.6倍~10倍
(拡張期血圧が160mmHg以上または収縮期血圧が100mmHg以上)
(久山町調査)
血圧が高ければ高いほど、脳血管性認知症を発症しやすいです!
脳血管性認知症とは
・認知症全体の4分の1を占めます。
・女性よりも男性に多いです。
・脳出血や脳梗塞の後遺症として起こります。
・認知症症状は部分的で、出来ることと出来ないことがハッキリしています。
・日によって症状がある時とない時があります。(まだら痴呆)
1度や2度、運動しても、それは、一時的に、脳の働きを高めるだけの効果しかありません。
ですが、継続して運動することで認知症を予防することができます。
スポンサーリンク
認知症予防に効果的な運動のやり方
運動を継続することによって、認知症を予防できることは分かりました。
次は、どんな運動をどれくらい行うと良いのか?具体的に説明していきます。
散歩、ウォーキング
健康志向が高まり、ウォーキングを生活に取り入れいる方も多いのではないでしょうか?
ウォーキングは、最も手軽にできて認知症予防効果の高い運動です。
では、認知症を予防するためには、ウォーキングをどの程度行うと良いと思いますか?
1日に30分?いやいや、もう少し多く40分?
なんと、認知症予防のためのウォーキングは、1日たったの7.5分で良いのですよ!
しかも、7.5分歩き続けるのではなく、1日の合計が7.5分であれば良いのです。
万歩計を付けている人であれば、1日5000歩を目安にして下さい。
ただ、脳血管性認知症を起こす高血圧や糖尿病、高脂血症も予防するとなると、1日20分のウォーキングが必要です。
ジョギング
最近、ジョギングをする人が増えていますよね。
ウォーキングが認知症に良いのだから、ジョギングも良いに決まっている!と思っていませんか?
実は、それは間違いです。
ジョギングをすると、息が上がりまよね。
心臓もドキドキと動悸が起こります。
息が上がったり、動悸がするのは、運動が激しく体に負担がかかっている証拠です。
これでは、脳が酸欠状態になり、逆効果です。
もし、ジョギングをするのであれば、息が上がらないスロージョギングを行うことをお勧めいたします。
手軽にできる体操で認知症予防!
運動が認知症予防に効果的と言われても、年を取ってくると膝や腰の痛みなどで、なかなか歩くことが難しい方もおられるのではないでしょうか?
そこで、家庭で手軽にできる認知症予防体操をご紹介いたします。
指体操
指体操は、指先を動かす運動です。
指先を動かすことで脳の運動や感覚を司る部分が刺激されます。
また、指体操は、右手と左手、それぞれ違った動きをします。
脳は右脳と左脳に分かれていて、右手は左脳が左手は右脳がコントロールしています。
ですので、右手と左手が違う動きをするためには、右脳と左脳が上手く連絡しあってないとできません。
つまり、指体操には右脳と左脳の連絡をスムーズにさせ、片方の機能が低下しても、もう片方が補ってくれる仕組みを強化させる効果があります。
リズム体操
歌に合わせて体を動かす体操です。
年を取ってくると、1つずつはできても、2つを同時にすることは、なかなか難しくなってきますよね。
リズム体操は、音楽を聴きながら、音楽に合わせて決められた動作を行います。
「音楽を聞く」「決められた動作をする」という2つのことを同時に行うことで脳に刺激を与えます。
コグニサイズ
コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが開発した運動です。
体を動かしながら、計算などを行い、認知症の予防を図るという目的で開発されました。
リズム体操と同じく、同時に2つのことをすることで脳を刺激します。
*計算などの課題に夢中になっていると、体への注意がおろそかになり、転倒したり、体をぶつけてしまう危険性もあるため、行う際は注意して行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
運動とくに散歩は、毎日の生活の中に、ほんの少しだけ取り入れるだけで認知症を予防する効果があります。
ほんの少しの時間で良いなら継続しやすいですよね。
ぜひ、取り入れてみて下さい。
コメント